男性不妊の治療で、中医学や漢方を使われる方も増えてきているような印象です。西洋医学では決定打がないだけに、色々な事をやってみる必要があると思います。
私もこのブログで以前、六味地黄丸と精子の質・男性不妊の治療でという記事を書いておりますが、あわせてそちらも参考にしていただければと思います。
ただ、精子の問題を考えるときに、男性の生活習慣の問題は必ず考えなければいけません。スタンフオード大学の研究で、肥満と過体重の男性の精液の数と質が劣るという結果が出ていました。テキサス州とミシガン州で妊娠を希望している468組の夫婦で、男性のウエストと体重を測り、射精時の精子の量との関係を調べました。それによると、BMIが正常範囲の場合、平均射精量は3.3ミリリットルでした。一方で肥満でBMIが最高レベルの場合、射精量は2.8ミリリットルで量が減りました。また、ウエストが102センチ以上だと、94センチ以下のグループと比較して、射精量は22%減少しました。実は、この射精の量は精液の質を見る上でとても重要といわれており、精子が安定した環境で活動するためにも欠かせないとされています。また、脂肪が精子に与える影響としては精子の成長を妨げたり、陰嚢の温度を上げてしまったりと諸説がありますが、いずれにしろ、あまりよくないことは確かです。
また、飲食が精子に与える影響に関しても興味深い研究がありました。
一般に、男性の年齢が大きくなると、精子のDNAが破損され、染色体異常が出やすいといわれています。イギリスの研究では、44歳以上に男性に対して、柑橘類やイチゴ、ジャガイモなどビタミンCが豊富に含まれている食品を摂取したら、こうした食材をあまり食べない人にくらべて、精子のDNAの破損が20%近く減ったということです。同様に、亜鉛を含む魚介類、ビタミンEを豊富に含むナッツ・胡麻類、葉酸を含む緑の野菜などの食材も大切です。精子の質を高めるために、活性酸素によるダメージも防がなくてはいけません。さらに、精子の成長を妨げる女性ホルモンに似た物質も要注意です。これに関しては、偏頭痛とペットボトルもご覧ください。
この分野は、中医学の薬膳・養生とも深く関わりがあります。我々現代人の生活からすると、ちょっとした工夫が必要ですね。
2014年01月21日
2014年01月17日
偏頭痛とペットボトル
この時期、中医クリニックに来られる患者さんの中に意外と多いのが頭痛訴える方です。
大抵、西洋医学で必要な検査を済ませ、原因がよく分からないと言われてこられます。一般的な症状として、男性よりも女性の方が多く、夏よりも冬の方が多いような印象です。イギリスの研究では、英国で500万人の偏頭痛持ちがおり、その発生率は女性は男性の3倍といわれています。ネットで見つけた英国での報道の原文はこちらから。
さて、偏頭痛の原因として、遺伝的要素や飲食なども関係ありますが、冬場の寒さも大敵です。温度差など外部の環境の変化により、偏頭痛の症状が悪化するからです。そんなときは、帽子をかぶるのがいいですし、寝るときでも頭を冷やさないようにするのがよいとされています。中国でも以前から冬の帽子は一般的です。また寝る前にぬるめのお風呂に入るのも有効だといわれています。
ところで、女性の場合は、女性ホルモンの変化と偏頭痛にも関係があります。そのため、初潮があったころから偏頭痛の発作が起こることもあります。
女性ホルモン関係では、環境ホルモンでもあるビスフェノールA(BPA)の存在も注意しなくてはいけません。最近こそ、BPA Freeの材料も増えているようですが、ペットボトルや飲み水用のガロンタンク、プラスチックの弁当箱などに含まれていることが多い物質です。この研究では、BPAは偏頭痛の発生率を高めるとしています。新鮮な食材を使った食べ物を食べると、尿中のBPAは3日以内に66%減少するとのこと。
一般に、BPAに関しては女性ホルモン的な作用があると言われていて、肥満症や不妊症、心臓病にも関わっているのではないかと考えられています。中国では、よく直射日光があたるところにペットボトル飲料が置かれていたり、クルマの中に積みっぱなしであったりしているので、これは良くない。強者は、ペットボトルにお湯を入れている人もみたことがありますが、これは厳禁です。
そういえば、偏頭痛には緊張性頭痛型のものもあります。頭痛範囲が広く、額や後頭部、頸部などに及び、鈍い痛みと頭が締め付けられるような圧迫感や、場合によっては帽子をかぶったように感じることもあります。酷いときは、悪心もともなうことがあり、かなりつらい症状になります。中医学では、痰・湿系の頭痛にもみられます。
偏頭痛をおこす食べ物では、チラミンを含むものが偏頭痛を誘発するともいわれています。代表的なのは、赤ワインやチーズ、チョコレートなどがそうです。そのほか、脂っこい物も要注意です。
偏頭痛の発作の60%は、何らかの前兆が数時間前から数日前にかけてあるといわれています。たとえば、精神的なストレス、疲れ、眠気、イライラなどです。情緒が不安定であってさも発作を誘発します。
さらに、頭痛以外にも自律神経に関す症状もよく見られます。中医学で言うと気虚・陰虚・陽虚などと関わりある症状です。たとえば、動悸や口渇、頻尿、腹痛などをともなうものです。いずれにしろ、調子が悪そうだな、と思ったら早めに休息をとることも大切です。
中医学での特徴として、痛み方の症状分析以外にも、太陽経・陽明経・少陽経・厥陰経など頭での痛みの部位にも注目します。それぞれ使われる生薬が決まっていて、例えば太陽経ならば羌活・川芎・蔓荊子、陽明経なら葛根・白芷・知母、少陽経なら柴胡・黄芩・川芎、厥陰経なら呉茱萸・藁本などです。これらは経絡の分布と関係があるわけなのです。
偏頭痛の治療はとても奥深いです。すこしでも鎮痛剤を服用するチャンスを減らすことができ、快適な生活がおくることができたらと思っています。
大抵、西洋医学で必要な検査を済ませ、原因がよく分からないと言われてこられます。一般的な症状として、男性よりも女性の方が多く、夏よりも冬の方が多いような印象です。イギリスの研究では、英国で500万人の偏頭痛持ちがおり、その発生率は女性は男性の3倍といわれています。ネットで見つけた英国での報道の原文はこちらから。
さて、偏頭痛の原因として、遺伝的要素や飲食なども関係ありますが、冬場の寒さも大敵です。温度差など外部の環境の変化により、偏頭痛の症状が悪化するからです。そんなときは、帽子をかぶるのがいいですし、寝るときでも頭を冷やさないようにするのがよいとされています。中国でも以前から冬の帽子は一般的です。また寝る前にぬるめのお風呂に入るのも有効だといわれています。
ところで、女性の場合は、女性ホルモンの変化と偏頭痛にも関係があります。そのため、初潮があったころから偏頭痛の発作が起こることもあります。
女性ホルモン関係では、環境ホルモンでもあるビスフェノールA(BPA)の存在も注意しなくてはいけません。最近こそ、BPA Freeの材料も増えているようですが、ペットボトルや飲み水用のガロンタンク、プラスチックの弁当箱などに含まれていることが多い物質です。この研究では、BPAは偏頭痛の発生率を高めるとしています。新鮮な食材を使った食べ物を食べると、尿中のBPAは3日以内に66%減少するとのこと。
一般に、BPAに関しては女性ホルモン的な作用があると言われていて、肥満症や不妊症、心臓病にも関わっているのではないかと考えられています。中国では、よく直射日光があたるところにペットボトル飲料が置かれていたり、クルマの中に積みっぱなしであったりしているので、これは良くない。強者は、ペットボトルにお湯を入れている人もみたことがありますが、これは厳禁です。
そういえば、偏頭痛には緊張性頭痛型のものもあります。頭痛範囲が広く、額や後頭部、頸部などに及び、鈍い痛みと頭が締め付けられるような圧迫感や、場合によっては帽子をかぶったように感じることもあります。酷いときは、悪心もともなうことがあり、かなりつらい症状になります。中医学では、痰・湿系の頭痛にもみられます。
偏頭痛をおこす食べ物では、チラミンを含むものが偏頭痛を誘発するともいわれています。代表的なのは、赤ワインやチーズ、チョコレートなどがそうです。そのほか、脂っこい物も要注意です。
偏頭痛の発作の60%は、何らかの前兆が数時間前から数日前にかけてあるといわれています。たとえば、精神的なストレス、疲れ、眠気、イライラなどです。情緒が不安定であってさも発作を誘発します。
さらに、頭痛以外にも自律神経に関す症状もよく見られます。中医学で言うと気虚・陰虚・陽虚などと関わりある症状です。たとえば、動悸や口渇、頻尿、腹痛などをともなうものです。いずれにしろ、調子が悪そうだな、と思ったら早めに休息をとることも大切です。
中医学での特徴として、痛み方の症状分析以外にも、太陽経・陽明経・少陽経・厥陰経など頭での痛みの部位にも注目します。それぞれ使われる生薬が決まっていて、例えば太陽経ならば羌活・川芎・蔓荊子、陽明経なら葛根・白芷・知母、少陽経なら柴胡・黄芩・川芎、厥陰経なら呉茱萸・藁本などです。これらは経絡の分布と関係があるわけなのです。
偏頭痛の治療はとても奥深いです。すこしでも鎮痛剤を服用するチャンスを減らすことができ、快適な生活がおくることができたらと思っています。
2014年01月14日
地元上海人のおばちゃんたちに講演〜ダスキン上海にて
今年初めての中国語での講演はダスキン上海さんででした。
上海のダスキンで働いておられる訪問販売のおばちゃんたちにを対象に、大気汚染やアレルギー、ハウスダストの問題とその対策、そしてアレルギーに対して中医学ができることをお話させていただきました。
とくに、アレルギーや大気汚染に関しては、上海人の間でも広く一般的に関心が高まっており、活発な質問も頂きました。
上海人のおばちゃんたちはパワフルですね。こちらも圧倒されますが、なんせ陽気な人が多いので、とっても楽しいし、沢山集まるとさらにエネルギーが凝縮される感じです。
うちの中医クリニックでも、私のところに地元上海の患者さんもちらほら来られますが、健康に関する悩みは、日本人も上海人もそう変わりません。
今年は、仕事としての中国人向けの講演会も増えそうな予感。
中医学発祥の中国で、その中国人に対して日本人の私が中医学の医師として中国語で話をするのもちょっと変かもしれませんが、だからこそハートに伝わることもあるのではないかと思います。
講演終了後に、舌や脈を診て欲しいという注文が殺到しましたが、それはさすがにお断り。やってしまうと、家に帰られなくなります。(^_^)
せっかく田林路や桂林路エリアにきたので、ついでに昔のアパートを見に行ってきました。私が96年〜98年頃にかけて住んでいた労働者向けのアパートがまだ残っていました。建物の古さは否めませんが、外壁は綺麗に塗り直されていました。
その当時、私の妻は近くの附属高校に通っていたのですが、そのときはまったく面識もなく、後になって知りました。ひょっとしたらどこかで会っていたかも知れません。
とはいえ、よく歩いた田林東路も店はすっかりと変わってしまい、昔良く行った食堂もなくなっていました。でも、20年近く前の面影が残っているのはなんとも嬉しい気分になりました。
上海のダスキンで働いておられる訪問販売のおばちゃんたちにを対象に、大気汚染やアレルギー、ハウスダストの問題とその対策、そしてアレルギーに対して中医学ができることをお話させていただきました。
とくに、アレルギーや大気汚染に関しては、上海人の間でも広く一般的に関心が高まっており、活発な質問も頂きました。
上海人のおばちゃんたちはパワフルですね。こちらも圧倒されますが、なんせ陽気な人が多いので、とっても楽しいし、沢山集まるとさらにエネルギーが凝縮される感じです。
うちの中医クリニックでも、私のところに地元上海の患者さんもちらほら来られますが、健康に関する悩みは、日本人も上海人もそう変わりません。
今年は、仕事としての中国人向けの講演会も増えそうな予感。
中医学発祥の中国で、その中国人に対して日本人の私が中医学の医師として中国語で話をするのもちょっと変かもしれませんが、だからこそハートに伝わることもあるのではないかと思います。
講演終了後に、舌や脈を診て欲しいという注文が殺到しましたが、それはさすがにお断り。やってしまうと、家に帰られなくなります。(^_^)
せっかく田林路や桂林路エリアにきたので、ついでに昔のアパートを見に行ってきました。私が96年〜98年頃にかけて住んでいた労働者向けのアパートがまだ残っていました。建物の古さは否めませんが、外壁は綺麗に塗り直されていました。
その当時、私の妻は近くの附属高校に通っていたのですが、そのときはまったく面識もなく、後になって知りました。ひょっとしたらどこかで会っていたかも知れません。
とはいえ、よく歩いた田林東路も店はすっかりと変わってしまい、昔良く行った食堂もなくなっていました。でも、20年近く前の面影が残っているのはなんとも嬉しい気分になりました。
2014年01月11日
季刊『中医臨床』2013年12月号「大気汚染のなかで過ごす上海市民」
中医学の雑誌、季刊『中医臨床』での連載「未病を治す」シリーズで、2013年最後はやはり上海の大気汚染について書いてみました。
ちなみに、1月12日朝5時現在の上海の大気汚染状況では、PM2.5は34.1㎍/㎥、PM10は37.4㎍/㎥でまず良好で、同じ時間の大阪東成区で32㎍/㎥、奈良の実家で20㎍/㎥でした。
いまや、中国と言えば「大気汚染が大変ですね」とよく言われるのですが、実際現地で暮らす人間からすると、如何にして対策するかという問題が大きいです。そのためには、もちろんマスクも大切ですが、こまめに大気の状況を観察する必要があります。
もうすぐ、中国でも春節のシーズンになりますが、はたして春節には欠かせない爆竹騒ぎが大気汚染予防のためにどこまで抑制されるかが注目されています。中国ではクリスマスでクリスマスツリーが欠かせないのと同じぐらい、爆竹・花火は重要だからです。でも、その文化に背くかのように、マスコミも爆竹がなくても春節を無事過ごせるというような報道をしきりにしていますね。
大気汚染からどのように肺を守るか。これは大きなテーマですが、咳や喉のイガイガ感の対策では中医学は活用できますし、養生的な観点からもできることはまだまだあると思います。我々の挑戦もまだまだ続きます。私も、値段は結構しましたが、PM2.5を測定できる簡易測定器を買ってきました。
なにより、現地中国人が大気汚染が酷いときにマスクをするようになったのは、大きな変化ですね。インフルエンザの予防にもなりますし。
ちなみに、1月12日朝5時現在の上海の大気汚染状況では、PM2.5は34.1㎍/㎥、PM10は37.4㎍/㎥でまず良好で、同じ時間の大阪東成区で32㎍/㎥、奈良の実家で20㎍/㎥でした。
いまや、中国と言えば「大気汚染が大変ですね」とよく言われるのですが、実際現地で暮らす人間からすると、如何にして対策するかという問題が大きいです。そのためには、もちろんマスクも大切ですが、こまめに大気の状況を観察する必要があります。
もうすぐ、中国でも春節のシーズンになりますが、はたして春節には欠かせない爆竹騒ぎが大気汚染予防のためにどこまで抑制されるかが注目されています。中国ではクリスマスでクリスマスツリーが欠かせないのと同じぐらい、爆竹・花火は重要だからです。でも、その文化に背くかのように、マスコミも爆竹がなくても春節を無事過ごせるというような報道をしきりにしていますね。
大気汚染からどのように肺を守るか。これは大きなテーマですが、咳や喉のイガイガ感の対策では中医学は活用できますし、養生的な観点からもできることはまだまだあると思います。我々の挑戦もまだまだ続きます。私も、値段は結構しましたが、PM2.5を測定できる簡易測定器を買ってきました。
なにより、現地中国人が大気汚染が酷いときにマスクをするようになったのは、大きな変化ですね。インフルエンザの予防にもなりますし。
2014年01月10日
『医道の日本』2014年1月号 新年のことば
2013年の年末に依頼のあった、『医道の日本』2014年1月号に、「新年のことば」を寄稿させていただきました。
日本の漢方、中国の中医学。どちらも世界で有数の伝統医学だと思います。
これらを使って、日本だけでなく全世界で活躍されている日本人の姿を見聞きすると、私ももの凄く刺激を受けます。
我々臨床家にとって、日々の診察の積み重ねが非常に大切です。最近、私のところでは日本とは全く関係のない地元中国人の患者さんも増えつつあります。日本人の一医師としてそうした中国の皆さんになにが出来るのか、日々考える毎日です。
1月号では、帯津良一先生が巻頭企画でインタビューを受けておられました。テーマは「シンプル・イズ・ベスト」。ホリスティック医学の第一人者である帯津先生とは、大学院時代に川越の帯津三敬病院にまで訪問し、お忙しい中貴重なお話をしてくださいました。研究室の机の上に積まれた身丈ほどの書籍と論文の山が今でも脳裏に焼き付いています。
2014年01月09日
第8回経営者.マガジン読者の集い(ガーデンホテル)
12月に弊社・甘霖までインタビューに来られた上海で発行されている雑誌『経営者.マガジン』ですが、第8回読者の集いに招待され、すこしスピーチさせていただきました。
この雑誌は、各界で活躍されている日本人・中国人が登場するのですが、読者の集いでは、12月号でインタビューを受けた方々が参加され、直接読者と交流するという趣旨でした。
蘇州日商倶楽部の工藤会長、上海愛櫻食品の劉総経理、上海市外国投資促進センターの羅和慶アジア・アフリカ部長、中国人向けの日本旅行情報発信『日本之窓』を発行されている沈CEOなどが参加されました。
羅和慶部長の上海自由貿易区に関するスピーチでは、香港に匹敵する自由貿易区を上海に設立するという強い意気込みを感じました。上海にとって、日本は最大の貿易国であるだけに、上海経済にとっての日系企業の重要性は言うまでもありません。前年比では多少のマイナス成長になっているものの、他国と比べても決して大きな落ち込みにはなっていないのだそうです。
また、中国人の日本行き旅行に関して、沈CEOからお話がありましたが、団体旅行は減っているものの、それを越えるレベルで個人旅行が増えており、全体数では決して減っていないとか。最近の中国の法改正で、団体ツアーの安売りが難しくなっており、その反動で個人旅行へのニーズが高まっているのだそうです。確かに、毎度日本出張する際にみる日本行きの中国人旅行者は家族や友達同士の小さなグループが多いですね。しかも、日系の航空会社を使っている人も多い。
というわけで、我々が想像している以上に、日本と中国の関係が変化していて、単純に反日・反中で結論できないのも事実です。特に、中国人の結婚した日本人を中心に、中国で腰を構えて事業を行っている人も増えており、関係悪化があるからこそ、さらに深い繋がりが形成されるのではないかと逆に考えてしまいました。また、日本人に帰化されて中国ビジネスに関わっている華人も増えているような印象です。
今回も、本当に色々な方と交流することができました。こうした機会に招待してくださった雑誌『経営者.マガジン』の編集長に感謝いたします。
この雑誌は、各界で活躍されている日本人・中国人が登場するのですが、読者の集いでは、12月号でインタビューを受けた方々が参加され、直接読者と交流するという趣旨でした。
蘇州日商倶楽部の工藤会長、上海愛櫻食品の劉総経理、上海市外国投資促進センターの羅和慶アジア・アフリカ部長、中国人向けの日本旅行情報発信『日本之窓』を発行されている沈CEOなどが参加されました。
羅和慶部長の上海自由貿易区に関するスピーチでは、香港に匹敵する自由貿易区を上海に設立するという強い意気込みを感じました。上海にとって、日本は最大の貿易国であるだけに、上海経済にとっての日系企業の重要性は言うまでもありません。前年比では多少のマイナス成長になっているものの、他国と比べても決して大きな落ち込みにはなっていないのだそうです。
また、中国人の日本行き旅行に関して、沈CEOからお話がありましたが、団体旅行は減っているものの、それを越えるレベルで個人旅行が増えており、全体数では決して減っていないとか。最近の中国の法改正で、団体ツアーの安売りが難しくなっており、その反動で個人旅行へのニーズが高まっているのだそうです。確かに、毎度日本出張する際にみる日本行きの中国人旅行者は家族や友達同士の小さなグループが多いですね。しかも、日系の航空会社を使っている人も多い。
というわけで、我々が想像している以上に、日本と中国の関係が変化していて、単純に反日・反中で結論できないのも事実です。特に、中国人の結婚した日本人を中心に、中国で腰を構えて事業を行っている人も増えており、関係悪化があるからこそ、さらに深い繋がりが形成されるのではないかと逆に考えてしまいました。また、日本人に帰化されて中国ビジネスに関わっている華人も増えているような印象です。
今回も、本当に色々な方と交流することができました。こうした機会に招待してくださった雑誌『経営者.マガジン』の編集長に感謝いたします。
2014年01月08日
上海松江の木桶山羊づくし
中国での薬膳といっても、気候風土によって大きく違うし、食文化による影響も大きいのが実際です。そんな上海で、夏の猛暑と冬の厳寒期に人々が食べるのが山羊です。
(参考:伏羊〜上海の無形文化遺産〜、上海金山で山羊づくし)
この冬は、いつもと違うところで、ということで上海松江区まで足を伸ばしてきました。松江区といえば、上海発祥のエリアとしても有名ですが、様々な食文化が残っています。
今回訪れたのは、松江区の郊外にある鎮南路の「木桶羊肉」という小さな小さな街の食堂。ただ、インターネットではそこそこ有名で、結構遠くから食べに来ていました。
上海でいう羊肉は、羊ではなく山羊を指します。山羊は身体を温めるだけでなく、胃腸に優しいのも特徴で、腹持ちがいいのも納得できます。羊と違って、意外と臭みがありません。
一般にこうした町の食堂はまだ夜明け前の朝4時頃から店をあけて仕込むのですが、早起きのお年寄り達が山羊肉麺を食べに訪れてきます。中国のお年寄りは、それこそ夜の7〜8時頃には就寝し、思いっきり早く起床、腹ごしらえをして明るくなったら颯爽と活動というパターンも多いのです。
松江の羊肉の食べ方は、金山ともまた違う。金山では香菜を沢山使っていましたが、ここではまず使いません。これも地域の特徴と言えるでしょう。
この食堂では多い日では1日10頭の山羊をさばくのだそうです。店頭には山羊がぶら下がっていました。木桶という名前も、この山羊を桶にいれてスープを作るからだそうで、山羊鍋のスープはそこからきていました。
もう一つ、この店が有名なのは、自分ところで山羊を飼育しているのだそうで、そういったところからもウワサになっているのでしょうね。
さて、肝腎の山羊肉ですが、山羊の血を固めた羊血や、内臓などを食べる羊雑、上海料理でお馴染みの白切羊肉など、絶品が揃いました。
こうした羊肉を食べると、パワーで出てくるような気がしますね。牛肉や豚肉のように脂っぽくないのが嬉しいです。
日本でも、ほんの最近まで農村で山羊を飼育していました。山羊の乳搾りをした経験のあるお年寄りもいました。山羊の乳は、牛乳アレルギーがあっても飲める人が多く、中国でも以前は粉ミルクがない時代に、その代わりとして使われていました。
山羊の食文化は、上海料理の大事な一部分です。ぜひ食べてみたいところですね。
(参考:伏羊〜上海の無形文化遺産〜、上海金山で山羊づくし)
この冬は、いつもと違うところで、ということで上海松江区まで足を伸ばしてきました。松江区といえば、上海発祥のエリアとしても有名ですが、様々な食文化が残っています。
今回訪れたのは、松江区の郊外にある鎮南路の「木桶羊肉」という小さな小さな街の食堂。ただ、インターネットではそこそこ有名で、結構遠くから食べに来ていました。
上海でいう羊肉は、羊ではなく山羊を指します。山羊は身体を温めるだけでなく、胃腸に優しいのも特徴で、腹持ちがいいのも納得できます。羊と違って、意外と臭みがありません。
一般にこうした町の食堂はまだ夜明け前の朝4時頃から店をあけて仕込むのですが、早起きのお年寄り達が山羊肉麺を食べに訪れてきます。中国のお年寄りは、それこそ夜の7〜8時頃には就寝し、思いっきり早く起床、腹ごしらえをして明るくなったら颯爽と活動というパターンも多いのです。
松江の羊肉の食べ方は、金山ともまた違う。金山では香菜を沢山使っていましたが、ここではまず使いません。これも地域の特徴と言えるでしょう。
この食堂では多い日では1日10頭の山羊をさばくのだそうです。店頭には山羊がぶら下がっていました。木桶という名前も、この山羊を桶にいれてスープを作るからだそうで、山羊鍋のスープはそこからきていました。
もう一つ、この店が有名なのは、自分ところで山羊を飼育しているのだそうで、そういったところからもウワサになっているのでしょうね。
さて、肝腎の山羊肉ですが、山羊の血を固めた羊血や、内臓などを食べる羊雑、上海料理でお馴染みの白切羊肉など、絶品が揃いました。
こうした羊肉を食べると、パワーで出てくるような気がしますね。牛肉や豚肉のように脂っぽくないのが嬉しいです。
日本でも、ほんの最近まで農村で山羊を飼育していました。山羊の乳搾りをした経験のあるお年寄りもいました。山羊の乳は、牛乳アレルギーがあっても飲める人が多く、中国でも以前は粉ミルクがない時代に、その代わりとして使われていました。
山羊の食文化は、上海料理の大事な一部分です。ぜひ食べてみたいところですね。
2014年01月05日
2014年は奈良高校同窓会からスタート
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。
12月30日〜1月4日の午前中まで日本に帰省していまして、4日の午後から中医クリニックでの診察をスタートしております。帰省の間にあった出来事はそのうちブログにアップしていきます。(おそらく)
今回の帰省のビッグイベントは、何と言っても我が母校県立奈良高校の学年大同窓会が開催されたこと。もう卒業20年になるんですね。企画してくださった幹事の皆様には本当に感謝です。そして、なによりも私の妹もお世話になった担任の先生にお会いできたのも感動でした。クラブの顧問の先生にも。さらに、同学年で東京だけでなく、上海を含めた海外で活躍されている方も多く、今や奈高生は全世界に散らばっています。
会場も、母校に近い春日野荘で開催されたので、私は少し早めに家を出て、当時通学した道を辿ってみました。在学中に使っていたJR奈良駅は高架になり、JR民と呼ばれたJR.通学組が通った線路沿いの道も高架の下になってしまいました。どうもJR通学組は当時から田舎者にみられておられました。(^_^)
それでも、春になると満開のサクラとなる佐保川の築堤と小さな橋は健在で、20数年前のことが鮮明に頭に蘇るような感じがしました。いくらインターネットが発達しても、バーチャルではまず体験できないリアル感は、その場所にいかないと体感できませんよね。
その後、本当に20年ぶりぐらいでしょうか。奈良高校の正門を歩いてみました。
高校のグランドでは後輩達が新年早々部活動していて、威勢のいい声が聞こえていました。
上海は確かに高校生の学力に関しては定評があるのですが、こういったクラブ活動や学校行事など人間形成に深く関係のある活動に関してはまだまだといった印象です。我々が生きていくときの底力はそうした日常のなかで形成されるということを今となればよく実感できますね。
奈良高校では「自主創造」という言葉をよく使いました。自分たちで考えながらあっと思わせるモノを見つけて前に進んでいく、と私は勝手に解釈していたのですが、これは中国に来てからとくに実感できるようになりました。
中国のように、いつも見えない力によって暗黙の支配があるクニでは、自分たちで考えて、自由に開拓すると言うのはそう簡単なことではありません。その結果、人民たちの自由な発想が芽生えにくく、結果的にシンプルで分かりやすい拝金主義に走ってしまったのではないかとも考えられます。奇抜としか言えない建物しか建築できないのもそういった背景とも関係があるのではないでしょうか。
さて、同窓会は大盛況でした。180人ほど参加し私も少々スピーチをさせていただきました。日中関係がよくないときだけに、毎回、チャンスをいただければテレビでもラジオでもいろいろお話させてもらっていますが、今年初めてのプレゼンは母校の同窓会からスタートというのも嬉しい限りです。
そのあと、今の奈良高校の様子をまとめた実行委員会オリジナルのビデオも。本当に隅々まで工夫いっぱいの同窓会でした。
二次会では、往年のヒーローたち?の大熱唱もあり、バンドで大いに盛り上がりました。本当に熱い熱い一時を過ごすことができました。
最後は、我が学年出身で吉本で大活躍している笑い飯の哲夫くんもなんとか間に合って飛び入り参加。記念写真の嵐となっておりました。
フィナーレは全員で校歌斉唱。卒業式以来だろうな・・・・。
歌や音楽の力って本当にすごいと思いますね。メロディーを聴くだけでその時の風景が目に浮かんでくるのですよね。なんとも言えない余韻に浸りながら、夜の油阪商店街を帰路につきました。
私にとっては、高校生活は今の上海生活の原点であったと思っているし、これからもエネルギーの源になっていくと思っています。
次は10年後の再会。
とにかく、身体だけは健康に、みんながまた一同に会えるように頑張りたいですね。
本年もよろしくお願い致します。
12月30日〜1月4日の午前中まで日本に帰省していまして、4日の午後から中医クリニックでの診察をスタートしております。帰省の間にあった出来事はそのうちブログにアップしていきます。(おそらく)
今回の帰省のビッグイベントは、何と言っても我が母校県立奈良高校の学年大同窓会が開催されたこと。もう卒業20年になるんですね。企画してくださった幹事の皆様には本当に感謝です。そして、なによりも私の妹もお世話になった担任の先生にお会いできたのも感動でした。クラブの顧問の先生にも。さらに、同学年で東京だけでなく、上海を含めた海外で活躍されている方も多く、今や奈高生は全世界に散らばっています。
会場も、母校に近い春日野荘で開催されたので、私は少し早めに家を出て、当時通学した道を辿ってみました。在学中に使っていたJR奈良駅は高架になり、JR民と呼ばれたJR.通学組が通った線路沿いの道も高架の下になってしまいました。どうもJR通学組は当時から田舎者にみられておられました。(^_^)
それでも、春になると満開のサクラとなる佐保川の築堤と小さな橋は健在で、20数年前のことが鮮明に頭に蘇るような感じがしました。いくらインターネットが発達しても、バーチャルではまず体験できないリアル感は、その場所にいかないと体感できませんよね。
その後、本当に20年ぶりぐらいでしょうか。奈良高校の正門を歩いてみました。
高校のグランドでは後輩達が新年早々部活動していて、威勢のいい声が聞こえていました。
上海は確かに高校生の学力に関しては定評があるのですが、こういったクラブ活動や学校行事など人間形成に深く関係のある活動に関してはまだまだといった印象です。我々が生きていくときの底力はそうした日常のなかで形成されるということを今となればよく実感できますね。
奈良高校では「自主創造」という言葉をよく使いました。自分たちで考えながらあっと思わせるモノを見つけて前に進んでいく、と私は勝手に解釈していたのですが、これは中国に来てからとくに実感できるようになりました。
中国のように、いつも見えない力によって暗黙の支配があるクニでは、自分たちで考えて、自由に開拓すると言うのはそう簡単なことではありません。その結果、人民たちの自由な発想が芽生えにくく、結果的にシンプルで分かりやすい拝金主義に走ってしまったのではないかとも考えられます。奇抜としか言えない建物しか建築できないのもそういった背景とも関係があるのではないでしょうか。
さて、同窓会は大盛況でした。180人ほど参加し私も少々スピーチをさせていただきました。日中関係がよくないときだけに、毎回、チャンスをいただければテレビでもラジオでもいろいろお話させてもらっていますが、今年初めてのプレゼンは母校の同窓会からスタートというのも嬉しい限りです。
そのあと、今の奈良高校の様子をまとめた実行委員会オリジナルのビデオも。本当に隅々まで工夫いっぱいの同窓会でした。
二次会では、往年のヒーローたち?の大熱唱もあり、バンドで大いに盛り上がりました。本当に熱い熱い一時を過ごすことができました。
最後は、我が学年出身で吉本で大活躍している笑い飯の哲夫くんもなんとか間に合って飛び入り参加。記念写真の嵐となっておりました。
フィナーレは全員で校歌斉唱。卒業式以来だろうな・・・・。
歌や音楽の力って本当にすごいと思いますね。メロディーを聴くだけでその時の風景が目に浮かんでくるのですよね。なんとも言えない余韻に浸りながら、夜の油阪商店街を帰路につきました。
私にとっては、高校生活は今の上海生活の原点であったと思っているし、これからもエネルギーの源になっていくと思っています。
次は10年後の再会。
とにかく、身体だけは健康に、みんながまた一同に会えるように頑張りたいですね。