NHK地球アゴラの出演も、ついに3回目になりました。
今回は、年の瀬スペシャルと言うことで2時間の拡大版。本来は、自宅からの中継のハズが、診察時間とぶつかったため、鼎瀚中医クリニックの診察室からとなりました。
これもまた新鮮でした。心配されたネットワークもとくに問題なく、無事に収録は修了しました。世界各国の話題で盛り上がれるのも楽しいです。
これで2013年の仕事は終了。明日の飛行機で正月は日本に戻ります。
2013年12月29日
2013年12月23日
アクアリズム 12月号 大気汚染とPM2.5
2013年12月22日
成都の古墳で見つかった中医学の医学書と大量の竹簡
ニュースでも話題になっている中国成都市金牛区天回鎮の老官山漢墓で発見された前漢(紀元前206〜8年ごろ)の古墳から920枚の竹簡が発見されたが、ここに多くの医学に関係ある書籍が見つかっており、大きな話題になっています。
(写真は新華社の報道で掲載された今回見つかった竹簡です)
中国の歴史上、見つかった数としては最大で、かつ医学との関係が非常にあるものばかりで、今後の研究成果に大きな期待が寄せられています。
今回見つかったのは、古代中医学の扁鵲学派のものでこれまで見つかっていなかったものが多いようです。調査によると『五色脈診』は書名があったものの、あとは書名がないが、これらの内容は現在『脈死候』・『尺簡』・『病源』・『経脈書』・『諸病症候』・『脈数』・『敝昔医論』・『六十病方』ではないかとされています。広く内科・外科・婦人科などの内容に及ぶとのこと。また、報道によると。心・肺などの字が刻まれている髹漆製(漆塗り)の経絡人形も見つかっています。
(写真は中国網の報道に掲載された今回見つかった髹漆経穴人形です)
新華社の報道をみてみると、たとえば『六十病方』には、蜀椒を使った偏頭痛の処方や、牛の尿を服用させて黄疸を治療したことや、風湿の治療に使われたと思われる少量の附子を使った処方見つかっているようです。今後、様々な研究が期待されます。
さらに中国の獣医学の歴史のなかでは今まで見つかっていなかった『医馬書』も見つかっています。
今回の発掘は、成都地下鉄3号線建設にともなう緊急発掘で見つかったもので、成都金牛区天回鎮土門社区衛生センターの東側に位置します。
中医学の最新の発見は、往々にして古いものの再発見でもあります。まだまだ中国の地下にはすごい中医学的な発見があるようですね。
(写真は新華社の報道で掲載された今回見つかった竹簡です)
中国の歴史上、見つかった数としては最大で、かつ医学との関係が非常にあるものばかりで、今後の研究成果に大きな期待が寄せられています。
今回見つかったのは、古代中医学の扁鵲学派のものでこれまで見つかっていなかったものが多いようです。調査によると『五色脈診』は書名があったものの、あとは書名がないが、これらの内容は現在『脈死候』・『尺簡』・『病源』・『経脈書』・『諸病症候』・『脈数』・『敝昔医論』・『六十病方』ではないかとされています。広く内科・外科・婦人科などの内容に及ぶとのこと。また、報道によると。心・肺などの字が刻まれている髹漆製(漆塗り)の経絡人形も見つかっています。
(写真は中国網の報道に掲載された今回見つかった髹漆経穴人形です)
新華社の報道をみてみると、たとえば『六十病方』には、蜀椒を使った偏頭痛の処方や、牛の尿を服用させて黄疸を治療したことや、風湿の治療に使われたと思われる少量の附子を使った処方見つかっているようです。今後、様々な研究が期待されます。
さらに中国の獣医学の歴史のなかでは今まで見つかっていなかった『医馬書』も見つかっています。
今回の発掘は、成都地下鉄3号線建設にともなう緊急発掘で見つかったもので、成都金牛区天回鎮土門社区衛生センターの東側に位置します。
中医学の最新の発見は、往々にして古いものの再発見でもあります。まだまだ中国の地下にはすごい中医学的な発見があるようですね。
2013年12月21日
冬至、「冬令進補」に忙しい季節
いよいよ冬至の季節です。
冬至は、24節気の中でも最も古い節気の一つで、2500年前の春秋時代からあるらしい。
季節と共に動く中医養生ではとても重要な意味がある季節でもあります。八掛学の考え方から陽気が徐々に盛んになってくるのがまさにこの時期なのです。とくに、慢性疾患で陽虚体質の人には体質改善をするちょうど良い時期ともいわれています。それを「冬令進補」と呼びます。陽虚以外にも、気虚・血虚・陰虚などがあり、身体に何かが足りない「虚」である場合には、身体を補う大切な時期でもあります。
実は、中医学の不妊治療をしていて、結果が出やすいのもこの時期のような気がします。陽気が徐々に盛んになってくることと関係があるのかもしれません。
一般的に身体を温めるものを食べることが多いですが、代表的なのはニワトリや山羊、牛肉などの肉類、胡桃や胡麻などもそうです。折しも、新疆ウイグルの農場の友達から今年産の胡桃や大棗が送られてきました。完全無農薬でこれがとっても美味しいのです。
さて、毎年のこの時期我々中医学に携わっている医師は「冬令進補」膏方の処方箋書きに忙しいです。上海地方では、この時期に身体を補う生薬を煮詰めて服用する習慣があり、これを膏方と呼びます。春にむけて身体を整え、さらに春節前の1年の締めくくりとして健康を総括する意味合いもあります。特に、毎年この時期だけに中医医院にこられる中国人の患者さんもおられるぐらいで、それぐらいポピュラーな習慣でもあります。
膏方の処方は、いつもの処方とは違っていて、生薬の数が多いだけに思考方法がすこし変わるのです。私も学生時代の数年間は師匠の外来について教わりました。
その他、冬至の習慣は上海でもいろいろあります。
代表的なのは、「冬至には鬼がでるから外出しない」なんかもそうですね。また、冬至はお墓参りのシーズンになります。春の清明節と冬至というと上海での2大お墓参りシーズンで郊外に向かう高速道路が混雑します。
上海では冬至にお団子を食べますが、中国北方エリアでは、冬至に餃子を食べる習慣もあるとか。場所が変われば習慣が変わるのも中国の楽しみの一つです。
冬至は、24節気の中でも最も古い節気の一つで、2500年前の春秋時代からあるらしい。
季節と共に動く中医養生ではとても重要な意味がある季節でもあります。八掛学の考え方から陽気が徐々に盛んになってくるのがまさにこの時期なのです。とくに、慢性疾患で陽虚体質の人には体質改善をするちょうど良い時期ともいわれています。それを「冬令進補」と呼びます。陽虚以外にも、気虚・血虚・陰虚などがあり、身体に何かが足りない「虚」である場合には、身体を補う大切な時期でもあります。
実は、中医学の不妊治療をしていて、結果が出やすいのもこの時期のような気がします。陽気が徐々に盛んになってくることと関係があるのかもしれません。
一般的に身体を温めるものを食べることが多いですが、代表的なのはニワトリや山羊、牛肉などの肉類、胡桃や胡麻などもそうです。折しも、新疆ウイグルの農場の友達から今年産の胡桃や大棗が送られてきました。完全無農薬でこれがとっても美味しいのです。
さて、毎年のこの時期我々中医学に携わっている医師は「冬令進補」膏方の処方箋書きに忙しいです。上海地方では、この時期に身体を補う生薬を煮詰めて服用する習慣があり、これを膏方と呼びます。春にむけて身体を整え、さらに春節前の1年の締めくくりとして健康を総括する意味合いもあります。特に、毎年この時期だけに中医医院にこられる中国人の患者さんもおられるぐらいで、それぐらいポピュラーな習慣でもあります。
膏方の処方は、いつもの処方とは違っていて、生薬の数が多いだけに思考方法がすこし変わるのです。私も学生時代の数年間は師匠の外来について教わりました。
その他、冬至の習慣は上海でもいろいろあります。
代表的なのは、「冬至には鬼がでるから外出しない」なんかもそうですね。また、冬至はお墓参りのシーズンになります。春の清明節と冬至というと上海での2大お墓参りシーズンで郊外に向かう高速道路が混雑します。
上海では冬至にお団子を食べますが、中国北方エリアでは、冬至に餃子を食べる習慣もあるとか。場所が変われば習慣が変わるのも中国の楽しみの一つです。
2013年12月18日
上海市の脳卒中治療指定総合病院
脳卒中とは、ご存じのように脳の血管が詰まったり破れたりすることで、脳細胞に栄養が行かなくなり、神経細胞が障害を受けてしまう病気です。早期発見と有効な治療が必要で、少しでも早く専門の病院に運ぶことで予後の後遺症と死亡率を改善することが出来ます。近年、上海でも発生率が上昇しており、罹患して1年以上の死亡率も増加する傾向にあります。
そこで、上海市では衛生当局が中心となって、「60分以内に脳卒中患者を収容して治療」することを目標に指定総合病院を決めました。いずれも、大学付属病院クラスの市立病院で、専門家がいて迅速に対応出来る病院となっていて、上海市の脳卒中臨床救急センターとして機能することになります。
上海市内に11箇所ありますので、いざというときのためにその場所を知っておきたいところです。
1.浦西
復旦大学附属崋山医院
復旦大学附属中山医院
上海交通大学附属瑞金医院
上海市第六人民医院
上海市長海医院
上海交通大学医学院附属第九人民医院
上海市第十人民医院
上海市長征医院
2.浦東
上海市東方医院
上海中医薬大学附属曙光医院
上海交通大学医学院附属仁済医院
2013年12月17日
中国での季節性インフルエンザの流行とワクチン時期
上海ではいまのところインフルエンザの発生は散発的です。広東省ではH7N9型鳥インフルエンザの報告がありました。
中国疾病予防コントロールセンターとアメリカ国立衛生研究所の合同研究で、中国での季節性インフルエンザの流行とワクチンの使い方について興味深い論文が発表されていました。出典はPlos MedcineのサイトにCharacterization of Regional Influenza Seasonality Patterns in China and Implications for Vaccination Strategies: Spatio-Temporal Modeling of Surveillance Dataあります。
この研究では、2005年〜2011年にかけて中国全国30の省の193箇所の医療機関からインフルエンザ症例報告を分析しています。興味深かったのは、やはり気候の違いにより、インフルエンザ流行のピークが異なっているというところです。中国は大きいですからね。
A型インフルエンザの場合、北緯33度以北では1月〜2月の冬季にインフルエンザが流行し、北緯27℃以南では6月〜8月に流行する傾向があるようです。さらに、この間に属するエリアでは1月〜2月、6月〜8月にインフルエンザが流行するとのこと。ちなみに、上海はちょうどこの真ん中に属すので、年に2回はインフルエンザが流行しやすいようです。
一方で、B型インフルエンザは中国の大部分で冬季に流行する傾向あるということです。
北方で冬季にインフルエンザが流行するのは、やはり気温が理由と考えられていますが、南方で春にインフルエンザが流行することがあるのは降雨と関係があるという結果でした。
また、北方エリアでは10月頃から季節性インフルエンザの予防接種を、南方エリアでは2〜3月頃からが望ましいとしており、これはちょうどWHOの推薦している北半球と南半球の予防接種時期合致していることになります。
中国疾病予防コントロールセンターとアメリカ国立衛生研究所の合同研究で、中国での季節性インフルエンザの流行とワクチンの使い方について興味深い論文が発表されていました。出典はPlos MedcineのサイトにCharacterization of Regional Influenza Seasonality Patterns in China and Implications for Vaccination Strategies: Spatio-Temporal Modeling of Surveillance Dataあります。
この研究では、2005年〜2011年にかけて中国全国30の省の193箇所の医療機関からインフルエンザ症例報告を分析しています。興味深かったのは、やはり気候の違いにより、インフルエンザ流行のピークが異なっているというところです。中国は大きいですからね。
A型インフルエンザの場合、北緯33度以北では1月〜2月の冬季にインフルエンザが流行し、北緯27℃以南では6月〜8月に流行する傾向があるようです。さらに、この間に属するエリアでは1月〜2月、6月〜8月にインフルエンザが流行するとのこと。ちなみに、上海はちょうどこの真ん中に属すので、年に2回はインフルエンザが流行しやすいようです。
一方で、B型インフルエンザは中国の大部分で冬季に流行する傾向あるということです。
北方で冬季にインフルエンザが流行するのは、やはり気温が理由と考えられていますが、南方で春にインフルエンザが流行することがあるのは降雨と関係があるという結果でした。
また、北方エリアでは10月頃から季節性インフルエンザの予防接種を、南方エリアでは2〜3月頃からが望ましいとしており、これはちょうどWHOの推薦している北半球と南半球の予防接種時期合致していることになります。
2013年12月12日
HP『細水長流』をリニューアル
私自身のHPでもある『細水長流』を12月にリニューアルしました。
アドレスはhttp://mdfujita.jp/ です。
いろいろ自分がやってきたことを整理しているのですが、質問されることも多いのでまとめておきました。
もし良かったのぞいてみてください。