2013年09月23日

連載 LOOK上海 2013年9月号 冬瓜(とうがん)

 上海市内の日本料理屋などで無料配付されているフリーペーパー「LOOK上海」の依頼をうけて、毎月気軽な読み物として中医学の生薬にまつわるお話を「中医探訪」というタイトルで書いています。なかなか雑誌が見当たらないという声もあり、もし過去のバックナンバーをよんでみたいという方がおられましたら診察室にありますので診察時にでもおっしゃってください。

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 夏の食材の代表選手ともいえる冬瓜。生薬としても便利な食材ですし、台湾では冬瓜茶をつくって飲む習慣がありますね。冬瓜は皮と種を生薬として使いますが、その果肉の活用となると冬瓜茶となります。

 夏といえば瓜類をよく食しますが、考えてみれば西瓜やメロンも薬材になります。ただ、立秋をすぎると食べないようにと言われることが多いみたいです。


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2013年09月15日

第3回日本中医学会「少子化問題を解決する中医学」(2日目)

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 学会2日目も盛りだくさん。

 いくつか興味深かったのが、韓国の韓国伝統医学を使った不妊治療の思考方法。「元植韓医医院の李鐘安医院長の調経種珠湯を使った子宮発育不全型・卵巣機能欠落型 不妊症治療の臨床報告では、韓国医学での考え方を紹介されましたが、中医学との共通点も多く、また私達が日頃臨床でも実践しており、とても親近感を感じました。東京医科歯科大学の別府正志先生は、中国の婦人科の大家である夏桂成先生の月経周期調整法による中医学による不妊治療の考え方を紹介されました。この方法は、我々が現在勉強している中医学婦人科の教科書でも登場するようになっていて、とてもメジャーになりつつあります。

 また、第2部のシンポジウムでは富士ニコニコクリニックの渡辺善一郎先生による成長発育中の小児疾患には中医学をということで、日本における小児科での漢方エキスの活用についてのお話。アトピー性皮膚炎を含む、アレルギー疾患の問題や高熱などの急病で漢方は積極的に活用されるべきであると思うし、実際富士東小児初期救急センターでの急病患者の大多数が軽症ウイルス感染症であるので、90%以上で漢方エキスが使われているようです。さらに、女性だけでなく、子供にも増えている小児冷え性の問題でも、中医学的な養生の考え方や生活習慣の改善が必要であるということでした。もっともだと思います。
 日本語が非常に堪能な韓国嘉泉大学韓医科大学小児科の金英信教授の「子育ての韓医学」では、韓国と日本との子育てに対する概念の違いをはじめ、韓国では出産後に健康な子供に対して1歳から年に1回歳の数にあわせて鹿の角をいれた生薬を服用させるという習慣があるそうで、興味深かったです。
 小児神経症の鍼灸治療を話されたのは郭中医鍼灸院の郭珍先生。私自身も、鍼灸と生薬併用で、小児の睡眠障害や恐怖・不安、チック、食欲不振、夜尿症、頭痛、腹痛などでつかっており、とても共感できるところがありました。

 最後に第3部のシンポジウムでは妊娠中における漢方薬の応用について、福田病院の河上祥一先生からのお話で、とくに流産リスクが高まる発熱患者に対して、漢方エキス剤を導入することで解熱スピードをあげることなどで成果が上がってきているようです。もちろん、妊娠中の悪阻や便秘でも生薬は使われており、その応用範囲が広いことがわかります。最後は、イスクラ産業株式会社の陳 志清先生による補腎健脾による流産対策のお話。一般に、胎漏や胎動不安と呼ばれる切迫流産や、滑胎とよばれる習慣性流産では、腎虚・脾虚の問題を考えることが一般的ですが、ただ体質にあわせて少量の活血化瘀や清熱解毒も必要となることがあります。流産防止の予防のためにも、漢方薬や中医薬がもう少し使われてもいいのではないかと思いました。

 質疑応答の中で、麦芽の断乳における活用法が出ていましたが、これは私もかなり経験があります。中国では早期断乳を希望するお母さんが多いので、使わないといけないというのが現状です。また、別府先生はPRL血症で使われるという話をされておられましたが、これも納得がいきます。

 日本でも中医学を実践される先生方が増えてきています。そういう先生方が交流できる場として、日本中医学会の輪が今後も広がっていくことを期待します。

 台風が心配されましたが、なんとか今の段階では大変なことにはならず、その足で横浜へ。我が上海中医薬大学の大先輩で、中医薬局の桂元堂を経営されている宮原先生と会食。

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 横浜のとても美味しいドイツ料理のお店「プーシェル」に連れて頂きました。ソーセージを含む肉料理はすべて自家製とかで、中には沢山の賞が掲げられていました。

 台風接近のこともあり、ちょっとバタバタしましたが、いろいろお話を伺えてよかったです。



8月〜9月の日本出張予定
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2013年09月14日

第3回日本中医学会「少子化問題を解決する中医学」(1日目)

 今回の出張の2つめの大イベントです。

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(都内で唯一みられた中秋節関係の食べ物)

 それは日本の中医学をやっておられる先生方が集まる第三回日本中医医学会の学術総会に参加することです。知り合いの先生方も多く参加され、貴重な講演を聴くことができるので、勉強のためにもなるべく参加するようにしています。ただ、日本温泉学会と引っかかることが多くて皆勤とはなっていないのですが。

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 今回のテーマは「少子化問題を解決する中医学」ということで、少子化の中で中医学が果たせる役割について討論しました。

 不妊治療で中医学を使うのはいまや徐々にメジャーになりつつありますが、さらには小児科分野でも中医学は大活躍します。今回の学会では、台湾と韓国からも専門家がこられ、各国の事情を知る上でもなかなか貴重な情報を得ました。

 会頭講演は熊本の吉冨誠先生による「少子化問題を解決する中医学」、招待講演では北京の日中友好病院中医心腎内科の杜金行教授がお話になっております。腎臓内科に関しては、私の専門でもあり興味深く拝聴しました。

 恒例となっている科学の見地から中医学を検証する日本大学の酒谷薫先生のシンポジウム「自然治癒力を科学する」のテーマでは、祈りの研究で私にとっては強烈な印象を与えて下さった東京女子医大の阿岸鉄三先生、ホメオパシーでお馴染みの川嶋朗先生、「プラセボ効果の要因解析からわかること」で話された慶応技術大学の中島恵美先生、そして前頭前野と陰陽の関係を話された日本大学の酒谷薫先生は、ストレス反応とリラクゼーション効果に対する前頭前野の役割についてとても興味深い実験結果を発表されました。

 夜は上野精養軒にて懇親会へ突入。シューマイの崎陽軒とは違うんですよね。(^▽^)

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(懇親会)

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(2次会)

 七夕のように、年に1回しか会えない先生方もおられるので大変有意義な会になったと思います。台湾から来られた台北市中医師公会の曹永昌理事長とも再会。台北の中医師が属する、医師会のような組織のトップです。2日目の講演では、台湾医療保険について話されました。

 大阪から来られた緑川クリニックの緑川先生ともお会いできましたし、東洋医学学会でお馴染みの先生方とも交流を深めることができました。この学会は医師だけでなく、薬剤師や鍼灸師の先生方も多いので、幅広い横の繋がりは大切だと思いました。

 そう、今回も本当に衝撃的な出会いが沢山!



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2013年09月13日

アイディア創出のための中医学(東京での講演)

 9月14日は今回の出張メイン。昨日いってきた東京スカイツリーの袂の東京墨田区にある某会社で講演させていただきました。とても大きな会場で、200人ぐらいが入る場所での講演は、実は以前の上海日本人学校での講演以来のこと。

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 事前に頂いた写真からイメージしていたのですが、そこに本当に沢山の方がこられました。ありがとうございました。

 実は、この日講演前に会社の博物館も見学させていただきました。

 創業者の石けんに対する深い探求心に感心させられ、当時から高級品として上海や香港にも輸出されたということでした。歴史の流れに乗ってうまく解説されていて、企業が社会に与える影響の大きさは多大なものです。

 そして、石けんだけでなく、建設関係などちょっと意外な分野でも使われる製品があるとかで、こちらも驚きました。化粧品のコーナーでは、私自身の髪の毛や皮膚のチェックをしてもらったら、これが結構好成績で、ひょっとして中医学のパワー?とか思ってしまいました。(^_^) この企業博物館には社会見学などで来られる学校もあるそうです。

 お話は、事前に行われた質問事項にのっとって構成してみました。広い分野の研究所から来られている方が多いだけに多種多様の質問事項。残念ながら今回は1時間半しか時間がないので、あまり深く掘り下げることはできませんでしたが、なにかヒントを掴んで頂けたらと思ってお話しさせていただきました。幸い、講演後もたくさんの質疑応答をいただきました。

 この会社は、中国とも長いビジネスの経験と歴史をもっておられますが、その中で最近では紙おむつが大変なことになっているということ。日本国内向けの紙おむつ販売に影響を与えるほどの需要が出ているのだそうです。
 そういえば、私の上海人の友達からも、日本でオムツを買ってきて欲しいという依頼があることもあります。オムツでさえ、Made in Japanがいいのだそうです。よ〜く分かります。

 企業が新しいモノを作り出すとき、往々にしてそのヒントは様々な出会いや「縁」の中にあったりするのです。そのために微力ながらでも中医学が貢献でき、人々の暮らしを少しでもよく出来るのなら、それはとても素晴らしいことだと思います。

 そういえば、私も時々進路を決めないといけない受験生の患者さんにお話しするのですが、志望校を決めるまでの間に、頭の中で考えるだけでなく、時間が許す限り色々な人生の先輩にあったり、講演会を聞きに行ったりしてほしいと思います。

 今回は関係者の皆様に大変お世話になりました。

 本当にありがとうございました!



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posted by 藤田 康介 at 16:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 最近の活動

2013年09月12日

連載 中医臨床 2013年9月号 暑さを乗り切る中医学の智恵

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 季刊『中医臨床』に毎号書いている連載「未病を治す智恵」での今月のテーマは「暑さを乗り切る中医学の智恵」です。

 残暑が厳しい上海ですが、中医学など伝統医学を応用したさまざまな生活習慣がのこっています。記録的な猛暑だった今年の上海で、その中のいくつかを紹介しました。

posted by 藤田 康介 at 07:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 最近の活動

中国での若者の自殺

 日本でも問題になっている若者の自殺ですが、ちょっとデータを調べてみると先進国のなかでも、15歳〜34歳の若い世代での死因のトップが自殺という結果になっていました。
 実は、中国でもこの傾向が出ていて、若者層の自殺が問題になっているのと、中国ならではの事情があるのではないかとも思ってしまいます。『人民日報』が報道していました。


 発表されたデータでは、中国で自殺による死亡者数は25万人、自殺未遂者は200万人といわれています。人口10万人あたりの自殺率でみると、中国全体での自殺率は6.86であるのに、農村では10.01、中小都市では8.37、大都市では6.41となるようです。つまり、農村エリアのほうが大都市よりも自殺率が高いという結果になっていました。また、高齢者の自殺が、若者より多い一方で、若者(15〜34歳)の死因のトップが自殺となっているようです。ここから見るかぎり、農村に残された高齢者の自殺が多い傾向にあるということになります。

 自殺未遂に関しては、毎日本当に様々な場所で発生していて、こちらのニュースをみてみると「ビルの飛び降りから助けることができた」などの話をよく聞きます。少しでも自殺を思いとどまるよう、政府も病院も力を入れているらしい。


 ちなみに、Wikiによると日本の2012年の総自殺者数は27858人で、人口10万人あたりの自殺者数は21.8人とのこと。この数字の異様な高さをみると、中国以上に対策を急がないといけません。日本でも、先進国ではめずらしく15歳〜34歳の世代での死因のトップは自殺らしい。もし人々の犠牲のもとでの今の繁栄であるのなら、それは決して許されることではありません。




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posted by 藤田 康介 at 04:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国の健康事情

2013年09月11日

秋のレンコン

 上海の世紀公園では、毎年蓮の花が鮮やかに咲きます。地元でも結構有名で、多くのカメラマンたちが撮影にきます。考えてみれば、上海料理にはレンコンをつかうものが多いですね。一番有名なのは、やはりレンコンの穴に餅米をつめた冷菜ではないでしょうか。

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 夏の疲れがでてくるこの時期、スタミナをつけようと思っても、胃腸の働きが今ひとつという人もおられるかもしれません。また、秋口の干燥も徐々に出て来ました。そんなときは、ぜひレンコンを試してみてください。

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藕節
 中医学ではレンコンのことを藕節といいます。藕節の主な効能は、涼血散瘀・除熱清胃解渇で、止血作用がある生薬としても有名です。藕節としては乾燥したものを使うことが多いですが、レンコン汁として生で使うと、喉の痛みや肺熱系の咳、頻尿、血尿、尿路感染、膀胱炎などでも使います。また、健脾開胃作用もあるので、お腹が弱っているときや下痢気味の時、お酒を飲み過ぎたときなどにも使えます。

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蓮心

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蓮葉

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蓮子肉

 レンコンはとっても便利な植物で、根っこは藕節として使いますし、葉っぱは荷葉として、実は蓮子肉として、さらに花托は蓮房として使います。実の中にある胚芽は蓮心として使い、不眠症や近年では高血圧にもよいとされています。

 蓮子肉は、薬膳でもよく登場します。胃腸の働きを整えるほか、慢性の下痢や不眠、夢精や女性のおりものの治療にも使われます。スープやお粥に入れると独特の食感がありますね。




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posted by 藤田 康介 at 16:20| Comment(2) | TrackBack(0) | 生薬・漢方薬・方剤・中成薬

2013年09月06日

『それでも私たちが中国に住む理由』

 9月6日に、在中日本人108人で書き上げた『それでも私達が上海に住む理由』の上海チームによる出版記念のお祝い会が、思南路にあるイタリアン「Q Italian&Wine」で開催されました。北京チームではすでにお祝い会が開催されていたようですが、上海チームからは報道関係者も含めて39人が参加したとのこと。どの方も中国歴が長く、様々な経験を積んでおられる方ばかりで、とても興味深く交流を深めることができました。

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 この本は、私も最近やっと手元に届いたのですが、外感も内容もとっても厚みのある本に仕上がっていて、とても嬉しかったです。結構売れているようで、すでに第三刷の印刷に入っているとか。よかったです。

 私は「ここに中医学がある限り」のタイトルで執筆に参加しております。近年の日本国内の状況を見てみると、日中関係にフタをしてしまいたいような話をよく耳にしますが、そんな中でも、日々着々と過ごしている我々がいることを、少しでも知ってもらえたらと思いで書きました。

 いずれにしろ、私の職場である中医クリニックでは、日本人は私一人だけですし、患者さんも地元中国の方が少なくなく、それでも日々日本人であることを意識して生活する必要もそうありません。中国の中医学を日本人の医師が診察しているというのは、ちょっと変に見えるかも知れませんが、日本人だからこそ気がつくことがいろいろあるのもまた事実だと思います。

 私の妻方の親族は、中国全国におりますが、どんなときにでも連絡を取り合っていて、むしろ日本の私の親せきより距離感が近いぐらいです。政治やマスコミ報道を抜きにすると、格段変わったことのない私自身の日中関係ですが、でもそうした地道な関係が、きっと将来大きく実を結ぶだろうと私は確信しています。

 なかなか普段耳にできないエピソードがぎっしり詰まっておりますので、ぜひお読み頂けたらと思います。

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 実は、この上海でのお祝い会では、特別ゲストとして参加された陳祖恩教授の横に偶然にも座らせていただきました。以前からぜひ一度お会いしたかった先生で、戦前を中心に上海にいる日本人の研究に著作も多いです。そのなかで、戦前は上海の人口が400万人程度で、10万人もいた在上海日本人のことに触れられ、いまの2400万人の人口と比較すると、その桁違いの多さに驚かされます。


 今後も、中国人との国際結婚が増えるでしょうし、1日何十往復も飛んでいる日中間の航空便のことを考えると、とてもフタをできるような状態ではないことは確かです。相互理解を深めるためにも、少しでもこの本が役立てばよいと思っています。

 最後に、「Q Italian&Wine」のスタッフの皆様ありがとうございました。最後に出て来たパスタがとっても美味しかったです!
 




8月〜9月の日本出張予定
 
posted by 藤田 康介 at 07:49| Comment(1) | TrackBack(0) | 最近の活動

2013年09月05日

中国の1.1億人の糖尿病患者と5億人の予備軍  

 だいたい、都市部の中国人の生活様式をみていて、これで糖尿病にならないはずがないと誰もが思うのではないでしょうか。食べ過ぎ、車社会、運動不足、そして浴びるように飲む酒類。しかし、これまで実態がはっきりと分かっていませんでした。

 もちろん、中国の糖尿病患者の増加がすごいことになっているということは、これまでも中国国内の学会で何度も言われているのですが、上海交通大学医学院附属瑞金医院の寧光教授らのグループが、18歳以上の中国人約10万人(98658人)を対象とした糖尿病の国際基準をつかった疫学調査を行い、論文を発表しています。

 今回の調査は、2010年のアメリカの基準に従い、HbA1c(6.5%以下)と経口ブドウ糖負荷試験2時間値(OGTT)の結果をあわせて中国全国を対象にしているところがポイントです。

 これによると、2型糖尿病の発病率は、全体で11.6%あり、このうち女性(11%)よりも男性(12.1%)の方が高く、都市部(14.3%)のほうが農村(11%)よりも高いことが分かりました。

 また、糖尿病予備軍に関しては、アメリカの基準に当てはめると中国人の50.1%がそれにあてはまる一方で、2型糖尿病を認識している人は、18歳以上では30.1%に過ぎず、意識がまだまだ低いことが分かります。このうち、都市部での認識率は38.7%、農村部では24.6%に過ぎません。

 また、糖尿病の治療を受けている患者で血糖値のコントロールがうまくいっている症例(HbA1cが7.0%以下)の割合は全体の39.7%となっていました。さらに、糖尿病患者のうち、男性の50%は喫煙していて、さらに生活習慣に問題があることも分かりました。

 中国の糖尿病の発病率は年々上昇傾向にあります。まだまだ国全体が貧しかった80年代は、糖尿病の発病率は1%だったのが、90年代に入ると2.5〜5.5%に、さらに2007年には9.7%となり、現在は11.6%という結果です。今後、さらに増えることが予想されてもいます。

 糖尿病は、腎臓病など様々な合併症が問題となっていますが、近年では女性は乳癌や卵巣癌、男性は大腸癌や膀胱癌のリスクを上昇させるともいわれています。




8月〜9月の日本出張予定
 
posted by 藤田 康介 at 06:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国の健康事情