2013年08月30日

奈良県天川村×中国伝統医学・ヨガ

 まだまだ残暑の厳しかった時期。しかし、奈良の吉野・大峰山の山奥の朝夕はむしろ寒いぐらいでした。

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 8月30日は、奈良県天川村洞川で、天川村×中国伝統医学・ヨガをテーマに講演してきました。主催は、洞川が大好きな人たちで集う洞(ほら)の会で、同時に天川村の龍泉寺・大峰山観光協会・大峰山洞川温泉旅館組合の協力もうけ、会場は陀羅尼助でお馴染みの西浦清六本舗の西浦ゲストハウスという、奈良の奥深い山の中の静かな環境で行われました。

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 ヨガに関しては、ストレッチヨガのアンシーさんが講師を担当され、私は中医学が持っている、健康ツーリズムに対しての役割と、実は上海から関空を経由して天川村にいくことがとっても便利であることをお話し、考えられる可能性を提案させていただきました。

 一般の方はもちろん、地元を旅館関係者のほかにも、天川村役場からも合計30人も参加され、講演後のワークショップではグループに分かれてさらに突っ込んだお話をさせていただきました。

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 中国人に限らず、世界中の観光客のインバウンドを狙うためにも、天川村のこの豊かな自然資源を大切にしつつも、次世代のためにもなにが出来るかいろいろ考えさせられました。

 ちなみに、洞川は和漢薬の胃腸病で絶大なる支持をあつめている陀羅尼助の故郷でもあります。中医学とも共通するところがあり、伝統医学のパワーと大峰山のパワースポットとしての力が融合できたらと思うのでした。

 日本の外にいるから気づくことというのは、たくさん有りますからね。人口減少に悩む日本の地域活性化に一役買いたいと思いました。


posted by 藤田 康介 at 16:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 最近の活動

2013年08月28日

連載 LOOK上海 2013年8月号 便利な紫蘇(しそ)

 上海市内の日本料理屋などで無料配付されているフリーペーパー「LOOK上海」の依頼をうけて、毎月気軽な読み物として中医学の生薬にまつわるお話を「中医探訪」というタイトルで書いています。なかなか雑誌が見当たらないという声もあり、もし過去のバックナンバーをよんでみたいという方がおられましたら診察室にありますので診察時にでもおっしゃってください。

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 8月号は日本人でもお馴染みの紫蘇です。実は、あまり中華料理では馴染みがないかもしれませんが、食材の臭みをとるのに紫蘇はよく使われています。しかも、紫蘇は茎も種も葉っぱも生薬になっていて、それぞれ効能がちがうという特色もあります。生薬としてもとっても便利な植物で、我が家でもプランターに植えています。


posted by 藤田 康介 at 14:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 最近の活動

2013年08月27日

華麗なる花、凌霄花

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先日、上海のとある友人のお宅をお邪魔したときに、庭に美しく咲いていた凌霄花をたまたま見つけました。とても素敵なお庭だったのですが、そのなかでも凌霄花が一段と目立っていました。

 凌霄花の花は、花そのものが夏から秋にかけての時期に収穫され、乾燥させて生薬として使われます。

 中医学的性質は辛・微寒、効能は活血破瘀、涼血袪風です。瘀血系の生理不順にも使いますが、私は顔に出てくるアトピー性皮膚炎には欠かせない生薬だと思っています。とくに、夜中に布団に入ったとき、身体が温もることで痒みが憎悪し、皮膚の赤みが強い時に、他の生薬を組み合わせながら使います。場合によっては、ニキビの治療でもでも使われることがあります。

 ただし、活血作用が強いので、妊婦や血虚・気虚の場合は使わない注意が必要といわれています。




8月〜9月の日本出張予定
 
 
posted by 藤田 康介 at 20:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 生薬・漢方薬・方剤・中成薬

2013年08月15日

伏羊〜上海の無形文化遺産〜

 上海市郊外の奉賢区庄行鎮に行ってきました。

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 ここでは、上海の中医学の特徴の一つでもあり、特に金山・閔行・奉賢区エリアの夏の養生として欠かせない山羊肉を食べる習慣があります。上海に20年近くいると、この私も夏に山羊肉が恋しくなってくるのでした。(笑)

 実は、毎年行っているお店が金山にあり、ブログでも紹介しましたが、今年は一度、無形文化財に指定されている庄行に行ってみようということになり、クルマを走らせました。

 ちなみに、山羊は本来冬に食べるものと思われがちですが、上海エリアの中医学では夏に食べることも多いです。日本で言うと、土用の丑の鰻といった感じでしょうか。
 暑い夏、「熱でもって熱を制する」というように、一年のうちで最も暑い三伏の時期に、しっかりと身体を温めることで、身体のなかにたまった寒邪を追い出そうという生活習慣は上海を含む江南エリアの中医学に色濃く残っています。山羊肉は栄養価も高く、とくに中医学の消化器にあたる脾胃に優しいので食べても胃にもたれにくいのも特徴的です。

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 ここでは、村全体が夏に食べる伏羊を観光の中心にしているため、広場には多くの食堂が集まっています。そのまえには、特産の梨の売店が所狭しと並んでいますから、間違いなく観光客向けですね。

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 残念なのは、近年、こうした梨作りも上海地元の人が栽培しなくなったことです。地方から来た出稼ぎ労働者に任せっきりでちゃんと監督されていない。そうなると農作物の品質が心配、というのが上海の消費者の声です。

 さて、我々が入った店は、そのなかでも一番大きい「李記羊肉」という大型の「農家楽」です。

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 まあ、結果から言うとまずまずでした。なんというか、料理は地元の味というよりも観光客向けといった感じで、個人的にはちょっと興ざめ。
 しかし、気軽に伏羊を食べられると言う点では、合格かもしれません。ぐつぐつと煮込んだ羊肉を、汗かきながら食べるのが美味しいです。

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 さまざななサイドメニューもあるので、山羊以外の料理も楽しめました。

 近年、エアコンの普及で夏でも身体が冷えたり乾燥したりすることが多くなりました。そんなときは、ぜひ山羊肉など身体の芯から温めることができる食材も使ってみたいところです。

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(上海郊外定番のサトウキビ、緑の茎がポイント)

posted by 藤田 康介 at 07:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学の薬膳・医食同源の世界

2013年08月12日

上海で臓器移植が認められた病院11箇所

 いろいろウワサも出ていますが、少し前まではブローカーが暗躍していた中国での臓器移植です。近年、やっと制度化が進められてきています。

 中国の衛生当局が、中国全国165箇所の病院に対して、臓器移植ができる病院として指定しました。上海ではこのうち11箇所の病院が入っています。また、11箇所の病院を含む、市内17箇所の病院で臓器提供を受け付けることが可能ということです。

※各病院の臓器移植の分担は以下の通りです。

中山医院・・・・肝臓・腎臓・心臓・膵臓
華山医院・・・・肝臓・腎臓
第一人民医院・・肝臓・腎臓・膵臓・小腸
瑞金医院・・・・肝臓・腎臓・膵臓・小腸
仁済医院・・・・肝臓・腎臓
新華医院・・・・肝臓
肺科医院・・・・肺
長征医院・・・・肝臓・腎臓・膵臓
長海医院・・・・腎臓・心臓
東方肝胆外科医院・・・肝臓


※臓器提供を受け付ける医院

上記の11箇所に加え、

上海児童医学中心
児童科医院
上海市公共衛生臨床中心
第六人民医院
第十人民医院
上海市胸科医院

現在、上海市では2000人が臓器提供の登録をしているそうです。

 また、上海市ではこれに先だって、2012年12月から上海市器官捐献弁公室を立ち上げ、臓器移植のための制度の整備を行ってきました。

 ただ、臓器移植希望者は相変わらず非常に多い状態で、長期の待ち時間に関してはまだ抜本的な対策は出ていません。しかし、各病院で情報を共有し合うことで、コーディネーターを中心に、臓器移植を円滑に行う仕組み作りができ、少しでも公平・公正に行われるのではないかと期待されます。

posted by 藤田 康介 at 00:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国の医療事情

2013年08月11日

中医薬としての冬瓜

夏になると、中国でよく口にする冬瓜(とうがん)。最近、日本でもよく見かけるようになりました。繁殖力が強いから、みるみる大きくなり上海の市場にいくと、その存在感は圧倒的です。夏に収穫されますが、冬まで保存が利くので冬瓜と呼ばれます。

 一般に、市場にいってもそのまま1個持って帰ることはなく、スライスししてもらいます。

 我が家では、冬瓜+枝豆、冬瓜+干しエビの組み合わせでスープや炒め物を作ることが多いです。さっぱりとして淡白で、とろけるような果肉がとっても美味しい。

 こういう季節ものの野菜は、たいてい中医学では生薬として使われます。冬瓜の場合は、主に種を冬瓜子(とうがし)、皮を冬瓜皮(とうがひ)といい、中医薬局(いわゆる漢方薬局)にあります。

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 冬瓜子は痰熱系の咳・喉の痛みに使います。特に、肺癰(肺結核・肺化膿症・肺腫瘍など)で、慢性的な熱系の咳を伴う場合、腸癰(虫垂炎)の処方にも使われることが多いです。冬瓜皮は、利尿作用があることで有名。主に、浮腫に使いますが、その時は量は多めで30gを煎じます。

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 台湾では、冬瓜はお茶として飲むようですね。冬瓜茶は、いまや上海でも売られています。冬瓜を煮込むと、ドロドロになってしまい、ほぼ溶けてしまうような状態になりますが、これに黒砂糖をいれて、少々甘くしていただきます。上海にもありますが、なんとも香ばしい味がしました。夏の伝統的なスィーツですね。

 このあたりの生薬は、夏ならではのもの。

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 また、先日、浙江省の農村にいったときは、外で働く人たちが飲む定番の生薬「六月雪」を買って来ました。猛暑で、上海人定番の夏の炭酸飲料水、「塩汽水」が品切れだそうで、そんなときはこんなシンプルはお茶はいいと思います。葉っぱや枝を少々コップに入れて、常温のお水をいれるだけで色が出て来ます。六月雪は、私の中医学の師匠が得意として使われていた生薬だけに印象深いものがあります。

posted by 藤田 康介 at 23:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 生薬・漢方薬・方剤・中成薬

AMAZONで予約開始!「それでも私たちが中国に住む理由」

 お待たせしました。

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 8月末頃に発売予定となる本、「それでも私たちが中国に住む理由」がAMAZONでも予約ができるようになりました。リンクはこちらからです。

 中国在住の108人がそれぞれの立場から執筆しています。私も執筆陣の一人として参加させていただきました。タイトルにあるように、中国にいる色々なジャンルの日本人が登場します。

 96年から上海生活をはじめて今年で18年目になります。その間、本当にいろいろな経験をしてきました。デモもあったり、伝染病もあったり、大気汚染もあったり。。。。でも、私達庶民の営みは途切れること無く続いています。

 会社から派遣される駐在員のみなさんは、期限付きの任務として中国滞在ですが、私は18年前に自ら選んでこの地に住んでいます。

 真冬の上海で、暖房も無くお湯の出ない大学宿舎で格闘した日々がいまとなれば懐かしいです。当時は地下鉄も1号線が一部分しかなかったし、路線バスのエアコンなども想像もできませんでした。市井のスーパーで好物のチーズが手に入らないのはショックでした。でも、そういう環境でも生き抜いて来られたことは私にとっては大切な自信になっています。

 そもそも96年当時にこの地に来たとき、中国が良くも悪くもいまのような形のクニになるとは、日本の世論も含めてほとんど予想できていませんでした。だから、世論の未来予想ほど適当なものはないと思います。もちろん、参考にはしますが。。。。

 だから、いまでも強く思っているのは、とにかく今できることを、今本当にやりたいことを、限られた人生の時間のなかでやらなければならないということです。海外にいると、日本国内にいるときよりも余計にそのことを強く感じました。これからも時間を無駄にせず、絶えずチャレンジしていきたいものです。

 ぜひご一読していただければ幸いです。

posted by 藤田 康介 at 07:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 最近の活動