2013年04月18日

H7N9鳥インフルエンザ、北京で中医学を併用した症例

 4月17日に、北京で初めて確認されたH7N9鳥インフルエンザに感染した7歳の女の子が退院しました。4月11日に肺感染症で入院し、北京地壇医院で治療を受けていました。この患者は、中医学の治療法も導入されたということで、注目を受けています。

 治療を担当した医師が、メディアにコメントを残しています。それによると、4月11日に入院した当初、体温は37.2℃であったが、その日の夜には40.2℃にまで上昇し、タミフルを投与し、物理的方法などで解熱を試みましたが熱は思うように下がりませんでした。12日のお昼頃、体温は引き続き39.8℃あり、当時の症候は高熱にもかかわらず汗がなく、痰や咳も見られず、舌苔は紅絳、脈は浮・滑・数でした。そこで、中医学の「汗出熱退、脈静身涼」の原則に法り、まずは発汗させることと、邪気が衛気にあることから、辛散透邪・解毒清熱の治法で処方を考えたと言うことです。

 中国衛生当局(国家衛計委員会)は中医学治療によるガイドラインを出していますが、その中で銀翹散と白虎湯の基本処方が出されており、これの加減をとる方針とし、さらに舌苔の様子から衛気営血の変化も考慮して青蒿などを使って邪気が営分に入るのを防ぐようにしたとしています。服用後4時間程度で子供は汗をかくようになり、12日の夜8時には体温は37.3℃まで下がりました。

 4月13日には、今度は元の処方から発汗作用のある荊芥穂を抜き、玄参・芦根など益気養陰・清熱解毒とし、温病後期における熱邪による気陰の消耗を防ぐようにしたということです。

 中国衛生当局の処方は、江南エリアで発生したH7N9鳥インフルエンザの症例にあわせて作成されたもので、ある意味非常に実践的な処方です。今回は、温病の「春温」に属し、早くから中医薬を併用する必要性を示した症例であるかと思います。

 今後、色々な症例についての検討が行われることかと思いますので、注目していきたいところです。


posted by 藤田 康介 at 10:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 伝染病と闘う