2012年05月12日

中医学での中薬薬剤師の役割

 西洋医学の医師と中医学の医師とでは、その専門性からライセンスが分かれている中国ですが、薬剤師も同様です。

 西洋医学での薬剤師と中医学での薬剤師の資格は分かれていて、それぞれの役割がはっきりとしています。それほど、生薬を扱うということは、ある意味プロフエッショナルな仕事だとも言えます。中医学の医療としての技術も、代々継承されなければなりませんが、中医薬(いわゆる漢方薬)の薬剤師も、様々な技術を検証されなければならず、いい医師と薬剤師との共同作業で、生薬の調剤がすすめられているのです。私達中医学の医師が中医クリニックでいろいろ生薬の工夫ができるのも、優秀な中薬薬剤師がいなければ実現できません。

 上海市非物質文化遺産の伝統医薬の分野では、中薬薬剤師のそうした技術を、中医薬局全体として保護する動きが出ています。それが、上海市松江にある余天成堂薬局です。1782年創業で、上海エリアでは最も古い中医薬局です。90年代に老舗ブランドに与えられる「中華老字号」の称号を取得して以来、中薬分野での伝統技術の継承に力を入れてきているようです。

 とくに、中医薬局の場合、生薬の配合以外にも、生薬をふるいに掛けたりする作業や、丸薬の製造技術も大切で、最低でも2〜3年の修行が必要といわれています。さらに生薬の修治も、中医薬局の大切な役割で、薬草を乾したらすぐに使えるというわけではありません。

 近年、上海市非物質文化遺産に指定されたことで、さらに伝統的に伝わっている中成薬の処方の保護も可能になり、継承するための素地が出来てくることになります。以前、後継者難が言われていましたが、いまでは若い継承者のトレーニングも進んでいるそうです。
posted by 藤田 康介 at 18:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 生薬・漢方薬・方剤・中成薬