2011年06月11日

消渇=糖尿病ではないと思う

 中医学の内科の教科書で「消渇」という章があり、一般に西洋医学の診断で糖尿病とつけば、ほぼ100パーセントの割合で、中医学の診断で消渇が使われます。ただ、消渇の定義は、喉の渇き、多食、多量の尿、体重の減少、尿の濁りなどなどの症状をあわせて判断することになります。よって、消渇だからといって、すべてが糖尿病にならないことが、中医学と西洋医学との関係で難しいところだと思います。

 先日、浙江省舟山から来られた40代半ばの中国の患者さん。

 1年ほど前から喉の渇き、尿が濁り、掌の火照りを訴え、中国各地の西洋医学の病院を転々とされておりました。尿検査・血糖値・甲状腺関係・腎機能など一通りの血液検査・エコーもされ、生理も順調で婦人科系も異常がなく、平行して地元の病院で中医薬も服用されていましたが効果がなく、今回は私のところに来られました。舌質は多少赤かったものの、白い苔がうっすらとありました。

 中医学的には「消渇」の診断はつけられると思います。おそらく、他の医師もその切り口で考えていたはずです。
 そこで、私は脾胃に火があり、これが胃や腎の陰を傷つけたと考え、処方を立ててみました。
 『備急千金要方』を記した孫思邈は、こうした代謝内分泌疾患に黄連丸(黄連・熟地)を使いましたし、一般的に地骨皮・石膏・黄耆・麦冬・知母・天花粉などの生薬が使われることが多いです。また、玉女煎や瀉黄散などの処方もよく使われます。

 ただ、彼女の飲食の話を来ていると、刺激の強い辛いもの好きで、結構無茶していることも発覚。とりあえず、2週間後に来ると言っておりましたが、さてどのように改善されるか今後診ていきたいと思っています。
posted by 藤田 康介 at 15:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 脈案考察