2011年04月28日

家族、友人、隣人を守れる人になる!安全・防災セミナー(在上海日本国総領事館・広報文化センター編)

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 4月28日は、在上海日本国総領事館共催ということで、上海日本人女性ネットワーク主催の安全防災セミナーの2回目に講師として参加しました。写真は、「ブロス」編集部のKさんが密かに撮って下さったものです。ありがとうございます。

 今回の会場は国際貿易中心(通称、国貿)だったのですが、きっとサラリーマンの方のご参加が多いのでは?と勝手に予想していたところ、蓋を開けてみたらほとんど女性の皆さんで、少々驚きました。会場は満員で、席が全くなく、少々窮屈な状態になってしまいました。

 診察の時間の関係上、一番目にお話をさせていただきました。この日は、終わってから浦東にも出かけなくてはならず、時間的に非常にタイトなのでした。最近、空き時間を見つけては上海中を走り回っています。

 内容は、4月24日とほぼ同じですが、なんせ持ち時間が20分しかなく、依頼されたテーマの内容も広く、駆け足になってしまったことは少々反省です。それでも、実用的なお話ができたと思っています。今回は、不眠・ストレスについて、中医学でなにができるのかを重点的にご紹介しました。

 次の講演会は、5月16日に大阪であります。今度は1時間の持ち時間なので、すこし安心かな。
posted by 藤田 康介 at 07:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 最近の活動

2011年04月26日

火曜日午前10時のストレス

 英国のMichael Page社が行った、3000人の英国人を対象にした研究で、働いている人たちで、1週間のうち最もストレスを感じるのは、火曜日の午前10時であるというデータがありました。

 このうち、25%の人が出社するだけでストレスを感じ、75%の人が通常11時16分にストレスのピークとなり、20%の人が始業時間の9時前にこなす仕事が多すぎると答えています。また、30%の人が、上司がストレスの原因になっているとも。仕事の量が多すぎる、ということに関しては40%が不満を持っているとのこと。さらに、曜日別では火曜日にストレスがかかりやすい傾向があるということです。

 一般に、月曜日は週末の休み明けということもあり、まだ身体の調子がいいし、話題も豊富にある一方で、火曜日から本格的に仕事の山が出てくることが多いため、仕事のストレスも高まるということです。

 まあ、勤務体系により個人差はありますが、私個人の場合、休みは毎週火曜日しかなく、土曜日・日曜日は患者さんの数も多く、仕事内容がぐっと忙しくなるので、火曜日はゆっくりと休憩できる楽しみの一日であります。
posted by 藤田 康介 at 08:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 「治未病」という発想

2011年04月24日

上海でなにかが起きたとき… 家族、友人、隣人を守れる人になる!安全・防災セミナー (虹橋国際機場賓館編)

0000-1-27.jpg(写真は講師の福島県政府上海事務所の國分所長)

  4月24日(日)午後2時〜4時・虹橋空港の隣にある虹橋国際機場賓館2階ホールで、「家族、友人、隣人を守れる人になる!安全・防災セミナー」があり、私も20分ほどお時間をいただいてお話させていただきました。今回のセミナーは、上海日本人女性ネットワークが主催され、28日に関しては在上海日本国総領事館との共催にもなっています。

 私もボランティアという形で、手弁当で参加させていただきました。

 実は、日曜日は私の中医クリニックでの診察日でもあり、診察途中に1時間半ほどお休みをいただき、終わった後また中医クリニックにとんぼ返りしました。

 私の前にお話くださった福島県政府上海事務所の國分所長のお話は、震災後の福島県の今の様子が伝わり、復興に動き出した様子がひしひしと伝わってきました。國分所長は、上海赴任直前まで被災地の第一線で動かれておられたそうです。

 福島県は、2007年に山形県の肘折温泉に行ったときに立ち寄っています。ただ、復興の前に立ちはだかる原子力発電所の問題は、非常に厄介。今後、日本政府がどのように原発問題に退所していくのか、全世界が福島県を注目しています。

 今回は、セミナーの運営等を上海日本人女性ネットワークの皆様がご尽力くださいました。上海での日本人女性のつながりとパワーはじつはものすごい潜在力をもっています。中国人の方と結婚して、上海にしっかりと根をおろしておられる方も少なくなく、今後ともよろしくお願い申しあげます。手(グー)

 私の講演内容は、28日の講演会が終了後、HPにて概略を公開しようと思っております。
posted by 藤田 康介 at 08:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 最近の活動

2011年04月14日

子供からのお手紙

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 昨日の中医クリックの診察で、私が診察している幼稚園児のお子さんから「せんせい、だいすきです」とお手紙をいただきました。黒ハート

 いや、なんか嬉しいです。。。。大事に保管しておきます!

 小さい子供に漢方薬を飲ませるのを大変だと思っていらっしゃる方も多いかと思います。

 実際に、他の病院で処方された漢方薬が飲めなかったり、砂糖やお菓子で紛らわせているお母さんも多いですが、私がみているかぎり、それほど身構えなくても大部分の子供はちゃんと煎じ薬を飲んでくれています。お菓子を食べないで!と言っているのに、薬を飲むときにお菓子を食べていたら意味がありませんしね。

 ただ、難しいのが小学校高学年や中学生ぐらいの子供たち。好き嫌いが激しい子供に限って、漢方服用にふさわしい疾患を持っている症例が多く、味を受け付けないということがあります。小さい頃からこの味をしっておれば、問題ないのですが。。。

 生薬を服用することがストレスになってしまうと本末転倒です。

 子供自身も、効果があることが実感できれば、自分から飲んでくれるようになることもあります。このあたり、処方する医師とのコミュニュケーションが大切だと私は考えます。

 子供たちの笑顔を励みに、今日もがんばります。
posted by 藤田 康介 at 08:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感もろもろ

2011年04月13日

言うことを聞かないのが医者?!

 医者とはいえ、やはり人間です。病気や怪我もします。糖尿病の専門医の先生なのに、ご自身が糖尿病だったということもよくあります。では、そのとき自分はどう治療するのを望むのか、 最近興味深い研究結果がありました。

 アメリカのDuke Universityが242人の医師対して行った研究なのですが、もし医師が病気になり、患者となった時、その治療法に対する選択をアンケートしました。まず、もし自分が大腸癌に罹患したとき、どういう治療法を望むか?という問いに対して、38%が死亡率は高くても、副作用が少ない治療法を望むと答え、医師が通常臨床で患者に行っている典型的な治療法を選ぶと答えた人は25%しかいなかったようです。

 では同様に、鳥インフルエンザの感染したときの治療法は?という問いに対しては、63%が死亡率が高いが、副作用が少ない治療法を選ぶと答えたようです。

 結論として、大部分の医師は、自分自身の治療を考えるとき、死亡リスクが高まっても、副作用リスクが少ない治療方法を選ぶ傾向があるとしています。

 さらに、なるほどと思ったのは、University of Illinoisの心理学者のコメントとして、他人のためを思ってくだす決断と、自分のためにくだす決断とは、まったく思考的にも違うものであるということです。

 人に対してものすごくいいアドバイスができるのに、自分では旨くいかないとか、その逆のケースはこの世の中よくありますが、それを裏付ける一つの例だとも思います。

 ただ、中医学の場合、医師自身の健康に対する養生的知識とその実践が求められます。その昔、中国の多くの医学者が山にもこって仙人のような暮らしをしていたのも、そういった背景と関係があると思います。
posted by 藤田 康介 at 07:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 「治未病」という発想

2011年04月08日

ニワトリ

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 上海でも、いまだに市場にいくと活きた鶏が売られています。上海人は鮮度のよい魚にはあまりこだわりませんが、鶏に関してはとことんこだわる傾向にあります。そのため、鶏一羽をさばけるかどうかどうかは、大切な料理テクニックのようです。

 中医学の世界では、鶏は体を補う食品として有名です。体を温め、五臓六腑にパワーを与え、冬場にはよくメニューに登場します。

 ところで、中医学の薬膳の世界では、一応雄鳥と雌鳥を区別します。

 体もでかく、大きな声で鳴く雄鳥は、中医学的には腎の陽を補う力が強く、インポテツであったり、何となく精力がないような男性にお勧めです。ただ、陽気が強すぎる嫌いがあるので、元々体の陽が強い体質の場合は、避けます。同時に、高血圧や痛風、熱が高い風邪引きの場合などでもおすすめできません。よって、アレルギー体質の人(アトピーなど)や、皮膚の弱い人(乾癬など)などは食べるのを控えるべきでしょう。 雄鳥は肉がしまっていることが多いので、鶏肉として炒めると美味しいと言われています。中華料理では、栗などとよく一緒に炒めますよね。

 一方で、脂肪分が多い雌鳥は、気血を補うのによいとされます。よって、女性に雌鳥がいいといわれるのは、そのためです。生理中に出血が多かったときや、産後に体の栄養をつけないといけないときなど、虚弱体質の方にはおすすめです。我が家でもスープとして登場するのは、やはり雌鳥です。
 

 最近、屋外を走り回っているニワトリにこだわっている上海人も少なくありません。
 美味しい鶏肉を食べたいという思いは、中国人に多いわけで、日本の地鶏にもひょっとしたらチャンスがあるかも。
posted by 藤田 康介 at 15:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学の薬膳・医食同源の世界

2011年04月07日

健康医学 2011年4月号『中医学的神』

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 健康医学の2011年4月号に書いた連載が届きました。
 
 今回は宗教的な「神」ではなく、中医学の医療の上で登場する「神」について少し書いてみました。五臓六腑と密接に関係するだけでなく、ヒトの精神状態との関わりも大きいため、精神病や不眠症の治療では、欠かせない考え方でもあります。

 春先、陽気が盛んになって、この「神」もいろいろ問題がおきます。そのあたりをご紹介しました。本号はうちの中医クリニックの待合室に置いてあります。
posted by 藤田 康介 at 07:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 最近の活動

2011年04月06日

中医臨床 Vol.32 2011年3月号 未病を治す智恵『民間で受け継がれる中医学』

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 現代の中医学というと、大学で勉強し、資格試験を受けて医師として活動するのが一般的ですが、私が思うに中医学本来の発展の姿は、やはり民間療法との関係が切っても切れないと思います。つまり、「効果がある」というのがその前提で、庶民の間で広まってきた体系的な医療の一つとして、中医学が存在すると思うのです。

 そういった観点からみると、庶民に受け入れられている様々な民間療法の検証は大切で、上海市も地元に伝わる民間療法の研究に乗り出しています。その背景を書いてみました。
posted by 藤田 康介 at 07:59| Comment(1) | TrackBack(0) | 最近の活動

2011年04月03日

運動して風邪を予防

 まだ上海の天気は落ち着きません。今日も風が強くて、かなり肌寒い1日です。

 こういう日は、風邪に要注意というわけですが、アメリカのAppalachian State Universityの研究で、運動することで風邪引きを予防したり、風邪になっても軽くすませることができるというのがありました。2010年11月の『British Journal of Sports Medicine』(インターネット版)に紹介されています。

 実験では、2008年の冬に1000人の成人を対象に12周におよぶ追跡調査を行いました。この調査では、秋に風邪にかかった日数は8日間で、冬に風邪にかかった日数は13日間でした。ところが、1週間に1度もしくは全然運動しない人と比較すると、運動した人の方が風邪にかかる日数が平均で46%短くなったということです。また、運動をしていたら、風邪にかかっても症状の程度が30〜40%軽くなったという結果です。

 結論として年齢に関係がなく、日頃運動することで、風邪にかかりにくくなるとしています。

 運動することで、体内の免疫細胞を活性化し、抵抗力を高めることができるわけですが、中医学的にも、運動することで肺の衛気を高めることができるので、風邪にかかりにくいと説明されます。
 風という邪気だけでなく、これはあらゆる邪気に対してもいえることだと思います。
posted by 藤田 康介 at 16:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 「治未病」という発想

2011年04月02日

癌症の放射線治療と鍼灸

 中国では、癌治療といえば、中医薬(漢方薬)を介入させることが一般的で、西洋医学・中医学双方の総合病院に、腫瘤科が設置されているのが普通です。ただ、上海においては鍼灸を癌治療に使っているところはあまり多くないような印象です。経験的に、痛みを緩和させるのに鍼灸は効果的なのは確かです。

 そんな中、スウェーデンの研究では、鍼灸を使うことで、癌患者に対する放射線治療で発生する嘔吐や悪心などの副作用に対して、有用であるというのがありました。このうち215人は針灸治療も受けたところ、37%が悪心、7%が嘔吐したのに対して、そういった治療を受けなかった62人は悪心を感じた人が63%、嘔吐したのは15%おり、明らかに差が出たということです。

 私が興味をもったのは、その後の研究です。215人のうち109人はいわゆる我々が中医学などで行っている針治療を行ったのに対して、106人は、鈍器のようなもので刺激を与えただけで比較してみました。その結果、双方の効果は基本的に同じだったようです。

 いずれにしろ体表から刺激を与えることで、放射線治療の副作用が緩和されるのなら、結構なことです。ただ、この研究にはどのツボを使ったなどの紹介がなかったので、一概には言えませんが、もう少し伝統医学の理論に忠実に治療を行えば、また違う結果が出てきたのではないかと思います。胃潰瘍の針灸治療の研究では、やはりツボを刺激するのとしないのとでは差が出ていました。

 理想はやはり、生薬と鍼灸を融合させた活用でしょうね。
posted by 藤田 康介 at 11:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 脈案考察

2011年04月01日

小学校での中医学知識普及の試み

 中医学や漢方医学の知識を普及させるのに一番いいのは、小中学生に興味をもってもらうことですが、残念ながら日本ではそういったチャンスはありません。特に和漢や鍼灸はせっかくの日本の文化であるのにもったいない。ご要望がありましたら、この私が世界中どこでもお話にいきますよ。

 中国では、北京市で中医学の文化を小学生に教える試みがスタートしています。

 北京市中医薬管理局と北京市教育委員会がいっしょになって、『青少年中医薬文化知識』という小学生向けの冊子を編集し、まずは「東城区中医薬発展改革総合試験区」にある2校に配布するということです。私もこの本をぜひ手に入れてみたいと思います。

 中医学をうまく利用すると、動植物を使った生薬にも関心を持ってもらえるだろうし、自然保護にも大いに役立ちます。さらに、食育にもいいし、健康管理のための知識を身につけることができます。

 北京市では成果を踏まえながら、今後北京市各地の学校にも広めていきたいと言うことです。

 広い目で見れば、将来の医療費節約にも役立つかもしれません。
posted by 藤田 康介 at 12:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国の健康事情