2010年07月25日

どんな症状でも話してください

 中医学や漢方など伝統医学で診察するとき、検査結果の数字も大切ですが、やはり大きなウエイトを占めるのが主訴をはじめとする患者さんの症状です。もちろん、医師がすぐ診てわかる場合もあれば、大抵の場合は患者さんご自身から言葉の形で表現されてくることが多いように思います。

 小さい頃から中医学に親しんでいる中国人や華僑、台湾人・香港人などの患者さんはそういった表現が結構特異なのですが、日本人の患者さんではなかなかどのように表現したらよいのか分からないという方が多いように思います。

 たとえば、皮膚疾患で来られた場合、皮膚の状態はいろいろお話してくださるのですが、皮膚とあまり関係ないと思われる症状に関しては、「え、先生ところではそういう症状も診るのですか?」と驚かれててしまうこともあるぐらいです。

 でも、実は主訴以外の症状に、その状態を解決する大きなキーワードがあったりして、ぽろりとおっしゃった言葉が、処方に大きく影響を与えることがたくさんあります。医学のなかでも、中医学や漢方医学が患者さんとの意思疎通を大事にする大きな理由がそこにあります。また、日本語のなかには、微妙な状態を表現できる言葉が結構多いため、いろいろお話してくださることが、処方の大きな助けになります。
 中国語で診察するときも同様で、例えば日頃上海語を使う人がやってくると、普通語にはない表現をお話してくださることがよくあります。おお!なるほど、と私が思うこともたびたびです。

 どんな小さな症状でも、話してくださることが我々中医師にとっては非常に貴重なことなのです。どんな小さな疾患でも、中医学は全身を診ますから。
posted by 藤田 康介 at 07:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感もろもろ