2010年07月02日

改めてアトピー性皮膚炎をいろいろ考えてみた

 アトピー性皮膚炎の中医学的治療法について、文章を書くことがあり、ここ数日改めていろいろ考察しています。改めて、非常に奥が深い治療であり、患者さんが100人おれば100人とも症状も異なっており、私も日々試行錯誤しています。とくに、皮膚の状態に関して言えば、一人として同じ方はいらっしゃいません。

 うちのクリニックでも、春の終わりからまた徐々にアトピー性皮膚炎の患者さんが増えてきているように思います。春は様々なアレルゲンが飛び交っていて、それが中医学でいう「風邪」の様な外邪となり、アレルギー性鼻炎だけでなく、アトピーの症状も悪化させたりします。
そして、今度は夏に入ると、汗の問題や紫外線の問題も顕著に。汗に関しては、エアコンの使いすぎによる自律神経とも関係のある気持ちの悪い汗が多くなってくるように思います。一方で、発汗が正常に行われないことも厄介で、中医学での治療では発汗を促せるように考えます。

 アトピー性皮膚炎では、うちの中医クリニックに来られる前からステロイド(副腎皮質ホルモン)や免疫抑制剤を使ってらっしゃる方が多いため、こういった薬と中医学・漢方がどうやって併用できるかが大きなポイントになると思います。

 話は変わりますが、腎疾患のネフローゼ症候群同様、アトピー性皮膚炎も活動期と非活動期があり、その違いで治療方法も変えていく必要があります。でも、ネフローゼの治療で経験してきたように、やはり生薬や食べ物の養生・ライフスタイルの問題を同時に考えることで、再発の回数を減らしたり、ステロイドの総量を減らすことが可能でした。ネフローゼの場合、一旦ステロイドの量を増やすと、今度減量して離脱するまでにまた多量の時間を必要としますから、如何に再発の回数を減らすかが大命題です。

 一方で、アトピーの場合でも、問題となるのがいわゆるリバウンド現象で、せっかくステロイドで症状が緩和されていたのに、突然の中止や減量で皮膚が悪化し、皮膚炎の面積が拡大してしまうといったケースです。

 さらに、ステロイドを長期に使用し、すでにステロイドの副作用として皮膚自体に皮膚の萎縮や赤みが出ていたのに、急にステロイドを中止すると、今度は皮膚のさらなる悪化につながります。いわゆるステロイドの離脱皮膚炎です。
 もしアトピーの活動期にステロイドを中止をしてしまうと、症状が非常に悪化してしまうのですが、一般に離脱皮膚炎とリバウンドが重なってしまうからです。

 となると、アトピーの活動期に、いかにそのアトピーそのものの症状を改善できるかというのがポイントで、ネフローゼの治療時に、尿タンパクの量をいかに減らすかという考え方と似ているようにも思います。そうすることで、結果的にステロイドの使用量を減らすことができ、副作用の心配がないレベルまで到達できれば、QOLも高まるはずです。

 そういった観点からみると、中医薬や漢方を使った治療は、体本来の自然治癒力を高めるのに何ができるか?という根本的な問題に大きく関係していると思っています。
posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学と皮膚病