2010年05月20日

五穀と中医学

 中国で生活している、五穀を食べるチャンスが多いと思います。何を五穀というのかは、時代によって定義がちがいますが、『黄帝内経』に書かれている「五穀為養」の発想からいうと、あらゆる穀物を摂取しましょうということに繋がるようにも思います。

 ここでは、中国や日本でもよく食べられる五穀、粟・小麦・米・大豆・コウリャンについて見てみます。

 まず、粟ですが、一説には五穀の中のトップとも言われることがあります。中国語では小米とかくので、よく悪口などにも使われるのですが、効能自体は豊富で、おかゆなどにもよく入れます。主な効能としては、中医学でいう脾・胃の働きを整える作用があります。特に胃腸が弱い人にはお勧めで、お粥としても重宝されます。中国では、粟のお粥の上澄み部分に有効成分が集まっていて体にいいとされています。

 そして、小麦も大切です。生薬でも更年期障害や自律神経失調症などによる汗かき、ヒステリーなどの治療にも使います。汗かきには生薬では浮小麦を処方します。これは、小麦を水に浸けて浮いてきたものを指します。小麦は、秋に種をまき、冬に一旦成長が止まり、春になると葉が伸び、夏に実るという四季の変化を取り入れているため、五穀の中でも重宝されます。皮のついたままの小麦はお粥にもします。精神を安定させ、イライラの解消に役立つとされています。

 我々がもっともよく食べるお米は、陰を潤す作用があるといわれていて、主に肺・胃にいいとされています。

 大豆は、例えば黒豆だったら腎を補います。体を元気にし、解毒や皮膚を潤す作用も言われていますが、中国では豆乳としてもよく飲みます。牛乳よりもむしろ豆乳の国ですから。上海でも畑にいくと、畦などに大豆が植えられています。黒豆の豆乳もなかなか美味しいです。

 コウリャンは、大豆同様に雑穀に分類されることが多いですが、中医学でいう肝を補うとされており、胃の働きも整えてくれます。さらに、慢性の下痢にもいいとされています。

 こう見ると、五穀は五臓をそれぞれ補うことができるので、バランスよく摂取できたらいいというわけです。
posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学の薬膳・医食同源の世界

2010年05月19日

5月14日は復旦大学で講義でした

 毎年行っている復旦大学での講義ですが、今年も5月14日に45分2コマの講義を行ってきました。

 テーマは、私のやっている中医学のお話、最近の上海の食品安全と健康問題の状況、そして私の趣味でもある温泉のお話の三本立てでした。ちょっとしゃべりすぎたかな。。。

 中国人と日本人の学生の方に聞いて頂きました。

 この講義も今年で3年目です。いつもお呼び下さりありがとうございます。

 
posted by 藤田 康介 at 18:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 最近の活動

上海で増え始めている乳がん

 上海市疾病コントロールセンターによると、上海市の乳がんの発生率は80年代と比較して、1.65倍に増加し、中国の都市の中では最も発生率が高いことが分かり、早期検査の必要性が強調されています。上海市民の中では、まだその重要性がしっかりと認識されていないため、様々な取り組みが行われています。

 上海市では、まず上海市内の七宝鎮社区で2年前から疫学的調査を行っていて、9431人の35〜74歳の女性から27例の乳がん患者を発見したということです。引き続き、2013年まで調査を続けると言うことです。

 中医学では、こうした癌のことを「岩」といいます。以前は「石癰」とも呼ばれていました。よって、乳がんに関しては「乳岩」と呼びます。その原因として、情緒の問題・邪気の問題・五臓六腑のバランスの失調・などが多いですが、特に情緒の問題は、日頃からわれわれ自身も注意できますし、気の流れが滞ると、血の流れにも支障が生じ、時間が経過するにつれて「岩」になると考えられてきました。

 乳がんはきっちりと西洋医学で検査をし、治療を行えば決して怖いものではないとも言われていますが、日常生活の生活のケアなどでは、中医学もまだまだ十分に応用される余地が残されていると言えます。また、体自体を元気にし、俗に言う免疫力を高めるともいわれる「扶正」という考え方と、病巣を攻撃する「去邪」の考え方は、併用されなくてはならず、中医学の世界でもいろいろ西洋医学と併用した新しい研究が進められています。
posted by 藤田 康介 at 17:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 「治未病」という発想

2010年05月15日

雑誌『健康医学』の執筆に没頭中

 しばらくご報告していませんでしたが、まだまだがんばって書いています。

*ドクター藤田の診察室から 「人体を校正する基本物質「気」」  2010年3月 健康医学 vol.774

気功でお馴染みの「気」ですが、中国伝統医学だけでなく、中国の哲学とも関係する実に意味深い物質です。

*ドクター藤田の診察室から 「春こそ肝を伸び伸びと」 2010年4 月 健康医学 vol.775

春になると五月病や鬱病など精神的な疾患が再発しやすくなります。中医学では春と肝との関わりから考えます。

*ドクター藤田の診察室から 「ストレス対策に大切な心・肝・脾」  2010年5月 健康医学 vol.775

忙しくなった上海の生活リズムが、人々に与える影響も深刻です。中医学の世界にも鬱証などの証があり、治療で実践されています。

 というわけで、ただいま六月号の執筆に取りかかっています。乞うご期待!
posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 最近の活動

2010年05月13日

ニセモノ対策

 日本の読売新聞のニュースに、ニセ医師、偽造免許の局長・大臣名は同一筆跡?という記事がありましたが、「へえ〜」とびっくりしてしまいました。資格というのは、なかなか見抜けないことが多いのでしょうね。

 では、ニセモノ天国の中国ではどうしているかというと、インターネットを利用することが多いです。
 たとえば、医療の世界ではというと、上海市の場合、特に我々のように中国の国家資格で医療行為をしている医師に対しては、当初からデーターベースができていて、一般市民が検索出来るようになっています。

 上海衛生という、上海市衛生局が管轄している公式HPに医療従事者の資格を検索するためのHPも公開されています。試しに、自分の名前を入力してみると、ありましたのでホッとしました。

 中国は医師免許の制度が日本と違っていて、医師免許を取得しても医療行為ができず、医療機関から衛生局に登録して初めて医療行為ができます。さらに、外国人の場合は就労許可証がいりますから、医師免許、登録証とあわせて3つの証明が必要と言うことになります。
posted by 藤田 康介 at 09:56| Comment(2) | TrackBack(0) | 中国の医療事情

2010年05月06日

中国での朝食は難しい

 中国におられる皆さん、朝食はどうなさっていますか?

 朝食は実は中国人の間でも大きな問題になっていて、何を食べたらいいのか困っている人も少なくありません。もちろん、ホテルなどのバイキングはすごいですが、そうしたものを毎日食べることはありません。

 中国人の代表的な朝食といえば、おかゆとか油条、豆乳ですよね。たまに肉まんを食べる人もいるでしょう。しかし、殆どの人は5元以内で、しかもものの3分で朝食を済ましてしまう傾向が強いようです。

 中国人の朝食の特徴として、やはりカロリーが異常に高いことが問題になっています。油条なんかはその典型です。また、炭水化物も非常に多いです。そのかわり、朝に果物を食べるという人は非常に少ない。

 朝食は、一般に1日の栄養の30%を補う役割があります。しかし、今の中国人の朝食では、2%にも満たないという報告も。中国風にメニューを考えるのなら、饅頭(たとえば野菜まんとか)+卵(茶葉で煮込んだ卵)+リンゴ+豆乳なんかが理想だといえます。

 朝食は、1日のはじまりだけに、しっかりと消耗させることができます。一番脂肪に変わりにくい食事とも言えます。そのため、朝食をしっかりととることで、お昼に食べる量をほどほどにすることができます。お昼食べ過ぎると、午後が眠たくなりますし、あまりいいことではありません。

 中国では、1食に30元使えるとするなら、朝に15元、昼に10元、夜に5元使いなさいといわれます。それぐらい朝食が大切なのですが、なかなか時間の関係もあって難しいですよね。

 中華料理はおいしいだけに、バランスをうまくとることが難しいです。
posted by 藤田 康介 at 16:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 「治未病」という発想

2010年05月04日

裘沛然先生が逝去されました

 上海で、中医学を牽引されてこられた名医が5月3日午前5時に上海竜華医院で亡くなりました。97歳でした。

 上海中医薬大学の終身教授で、国医大師とも呼ばれ、国家クラスの中医師として活躍されました。

 中医学では、学術的にも様々な実績を残されており、また文化人として辞書の編纂などにも携わっておりました。中医学に携わっている医師ならまず知らない人はいないでしょう。それぐらい有名な先生でした。

 その実績としてよく紹介されるのが、『傷寒論』と『温病学』の一体論、さらに「難病治療における八つの治療原則」、「経絡と体の聯絡学説」などが有名ですが、純粋な中医学の発展に独自の見解を数々発表されました。

 上海では、勉強会などにも多数お話を伺いましたが、ものすごいヘビースモーカーとして有名で、講義中もおもむろにタバコを取り出しておられました。さらに、寧波訛りの中国語はかなり難しく、中国人相手の講義でも、先生の弟子による通訳を入れてました。

 ご冥福をお祈りいたします。
posted by 藤田 康介 at 08:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 脈案考察

ラジオに出演しました

 5月3日に日本は九州福岡のcross fmで、朝7時半(日本時間)から「morning gate」という番組に電話生出演しました。今回は、7分ほど放送時間をいただけ、結構しゃべらしてもらいましたが、時間はあっという間に過ぎてしまいました。
 でも、ラジオの方がテレビよりしゃべりやすいですね。
posted by 藤田 康介 at 08:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 最近の活動