2010年04月27日

干ばつの影響

 雲南省や四川省で深刻な干ばつになっていることは、ニュースでも話題になっていますが、上海で生活している限り、あまり気がつきません。しかし、中医学や漢方の世界では、じわじわと影響が出始めています。農作物でもある生薬の値段が、明らかに上昇し始めているのです。

 中医薬の値段の変動は、伝染病の流行などとも関係があり、例えば新型インフルエンザの流行のときもそうでした。抗ウイルス作用があるといわれている清熱解毒系の生薬が高騰、金銀花が4倍以上に、板蘭根も4倍以上に値上がりしました。しかし、今年は流行が落ち着いたあとも値上がりが落ち着きません。

 その最大の理由が、干ばつによる天候不順です。今では、山査子なども値上がりしています。

 とくに、四川省や雲南省が特産地である天麻・田七・紅花の値上がりが顕著です。田七は2年かけて収穫されるので、深刻な影響が出てくるのには、もう少し時間がかかりそうですが、それでも5倍に値上がりしています。
 田七は臨床ではあまり使わないかもしれませんが、紅花はそうは行きません。活血化瘀作用のある生薬として日々よく使うだけに、紅花が倍以上に値あがるのはきついです。こちらは、雲南省の干ばつの問題以外にも、新疆エリアの大雪の影響もでています。

 生薬を取り扱っている以上、天候との駆け引きは致し方ありませんが、生薬市場の動向が気になる今日この頃です。
posted by 藤田 康介 at 06:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 生薬・漢方薬・方剤・中成薬

2010年04月22日

『上海路地裏万博』(双葉社)

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『エンブリオロジスト〜受精卵をはぐくむ人たち』で小学館ノンフィクション大賞を受賞された須藤みかさんが編集・執筆され、上海在住の我々約30人で執筆された本、『上海路地裏万博』(双葉社)が発売開始されました。私の手元にも数冊くることになっています。さっそくクリニックの待合室に置かせていただきますので、ご希望の方はご連絡ください。




 私は、「第2章癒し」で「中医学」と、なぜか「第3章チープ」の「生煎饅頭」で執筆しています。週末の時間を利用した執筆で、締め切りもすぐに迫っていたので忙しかったのですが、とりあえず上海万博の開幕までに出版が間に合ってほっとしました。

 この本の「中医学」のコーナーでは、私がなぜ中医学の世界に入るようになったのか、私の師匠との出会い、そして、これからおそらく中国の中医学が進むべきであろう方向性について書かせていただいています。日本におられる方はもちろん、上海におられる皆さんにも参考になるかと思います。

 さらに、この本ですが、大きな特徴としてライターがかなりの強者揃い。かなりディープな上海を楽しめそうです。

 須藤さんともお知り合いになったのは、2003年に雑誌に私とのインタビューを掲載していただいたのがきっかけでした。本当にいろいろお世話になっております。ありがとうございました!

 とりあえず、任務が一つ完了して肩の荷がおりました。
posted by 藤田 康介 at 07:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 最近の活動

2010年04月19日

NHK 地球アゴラに登場します

 最近、いろいろなことがあって、なかなかページの更新が進みませんが、本人は至って元気です。というか、5月から始まるであろう新生活に胸躍らせています。明日20日は、急遽OPEN前の万博会場に行ってきます。でも、天気が心配です。。。

 さてさて、手前味噌で恐縮ですが、今度はNHKのBSで放送される地球アゴラに生出演で登場することになりました。民放は時々出ているのですが、NHKに出るのは初めて。上海でロケもあったりして、結構大変でした。ディレクターをはじめ、スタッフの皆様、大変ご苦労様です。
 そして、私の親友の一人でもある王弁護士もばっちりと登場するはずです。

 この番組出演も非常に奇遇な縁でして、すべては番組スタッフから送られてきた1通のメールから始まりました。上海万博と市民の健康や中国伝統医学(中医学)は実はいろいろ関係があったりします。そんなところをお話しできたらと思っています。

 番組HPはこちらです。放送時間は2010年4月25日のNHK BS1 夜10:00〜10:49です。NHK ワールド プレミアムでも翌日月曜日に再放送されるそうですが、こちらは日本時間で午前4時からなので普通に見るのには無理そう。

 地球アゴラにしては珍しく、上海一色の特集なので、私もびっくりしています。上海がいま日本から注目されているのですね。
posted by 藤田 康介 at 19:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 最近の活動

2010年04月11日

鍼灸と禁煙

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 私はタバコを吸わないので、喫煙者の気持ちがわかりません。しかし、上海の禁煙運動になにか協力できるのなら、これまた本望です。最近、禁煙に関していろいろ調べていますので、すこしレポートします。

 2005年前後だったと記憶しているのですが、その当時は中国伝統医学をつかって禁煙を試みる人が多かったです。針灸科にはも禁煙外来をつくったところもありましたから。でも、その後、下火になり、いま上海では復旦大学付属中山医院に禁煙外来が残っている程度で、患者数も少ないようです。

 私も、最近、上海市内の薬局をいろいろ歩いてみて、なにか中医学関係であたらしい禁煙グッズが出ていないかみてみました。残念ながら、一時一世を風靡した「中脈烟克」に匹敵するような器具はありませんでした。

 ただ、中医学の世界では、とくに鍼灸の分野では禁煙に関する手段がないわけではありません。

 例えば、禁煙ツボは列欠(列缺(LU7))であるというものです。腕にあるのですが、肺の経絡に属する重要なツボで、このツボを禁煙ツボとして使う説もあります。列欠は、もともと頭痛や歯の痛み、咳や喉の痛みなどの治療に使います。列欠は、古代中国では稲妻を指しますが、このツボを押すと稲妻が走った後ように頭もすっきりするといった言い伝えからも関係があるといわれています。
 タバコを吸うと、肺に影響をあたえますが、列欠はそうした肺の働きを整える作用がありますからね。

 あと、「戒烟穴」という、禁煙専用のツボがあるという説もあります。場所は、陽渓穴と列欠穴を結んだ直線の真ん中で、ここを針などで刺激します。民間では、「戒烟穴」という呼び方は結構知られております。タバコを吸っている人なら、このツボを押すと痛みを感じるはずです。どうでしょうか? 
 ここに、肉桂や丁香などの生薬の粉を使って膏薬をつくり、貼ってみるのも一つのやり方です。

 ただ、「戒烟穴」という呼び方は、あくまでも民間での呼び方ですので、中医学の教科書にはありません。

 こうしたツボを刺激すると、タバコの烟がイヤになったり感じるようです。私はスモーカーではないのでわかりませんが。もしスモーカーがおられたら、試してみてください。少なくとも1週間は続ける必要があります。

 耳つぼですが、肺・口・胃・神門をメインに刺激します。これはどの説でも共通です。 さらに、気管・内分泌・交感など組み合わせます。耳つぼ用のパッチがありますので、それを貼り、タバコを吸いたくなったらそのパッチを押さえます。
 すると、ツボをはったところに違和感があると思います。それを1週間ほど続けると、タバコが美味しくなくなるようです。積極的に禁煙を目指す人なら、かなり効果的とはいわれています。

 しかし、せっかくの中医学があるのに、本場中国での禁煙に関する研究が十分ではないのはなにか寂しいですね。残念です。
 もし、鍼灸関係で禁煙方法をご存じの方がいらっしゃいましたら、ぜひ情報交換しましょう!
posted by 藤田 康介 at 09:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 「治未病」という発想